2019 Fiscal Year Annual Research Report
Personalized advertising and psychological reactance: An approach from privacy perspectives
Project/Area Number |
17K04001
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
森本 真理子 早稲田大学, 国際学術院, 教授 (20647359)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ソーシャルメディア / パーソナライズド広告 / プライバシー懸念 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は心理的リアクタンス理論の観点から、消費者のソーシャルメディア上のパーソナライズド広告に対する反応が広告・ブランド評価や購買意欲にもたらす影響を探求した。 パーソナライズド広告に関連するプライバシー懸念や不快・不信感の解明のために行われた定性インタビューの結果、年齢が上がるにつれプライバシー侵害に敏感になり、他者に個人情報が利用されることに対する嫌悪感が強くなることが判明した。若年層はパーソナライズド広告に対する抵抗は少なく、購買決定の情報源としての価値を認識していた。全ての年齢層において個人情報のコントロールへの意識は高かったが、若年層はメールアドレスを個人情報と捉えず、年齢が上がるにつれ個人情報と認識された。 次にソーシャルメディア媒体別に定量アンケートを実施、消費者の不快・不信感等の心理的要因を解明した。パーソナライズド広告では、プライバシー懸念が個人情報のコントロール能力と広告回避の関係において中間変数として作用した。コントロール能力と、広告の侵略感の関係でもプライバシー懸念は中間変数として存在した。また、LINE上のパーソナライズド広告に対する好感度はFacebook上の広告よりも高く、Twitter上のパーソナライズド広告はFacebookやLINE上のものに比べて回避される傾向にあった。 最後にソーシャルメディア媒体や個人情報を操作したパーソナライズド広告上で、これらの単独要因と交互作用が広告侵入感や懐疑感、広告・ブランド評価にどのような影響をもたらすかを実験操作で調査した。ソーシャルメディア間ではパーソナライズド広告に対する態度が異なり、ソーシャルメディアとパーソナライズド広告内の個人情報の量の交差作用が広告態度に現れた。しかし心理リアクタンスとパーソナライズド広告に対する反応において、情報コントロール能力や個人情報漏洩懸念の媒介効果は見られなかった。
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