2018 Fiscal Year Research-status Report
A Study on Logistics System of Transport by Relay with Considerations for an Aging Population
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17K04009
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
鈴木 邦成 日本大学, 生産工学部, 教授 (20440448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 良晃 大島商船高等専門学校, その他部局等, 教授 (60232336)
若林 敬造 日本大学, 生産工学部, 教授 (90201144)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 中継輸送 / 帰り荷の確保 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度研究計画は, ロジスティクスについての定義, 先行研究についての文献研究を行ったうえで, 以下のように進めた。 トラック運転手不足に対応する中継輸送の増加によるネットワークの再編の検討を行った。すなわちトラック運転手不足及び長時間労働の解消を念頭に置きながら,中継輸送の積極活用による輸送ネットワークの再編について物流事業者,各県トラック協会からヒヤリング調査,アンケート調査を行った。さらに物流管理評価指標の活用を念頭に置いた帰り荷確保の検討を行った。トラック運送業界の情報基盤ネットワークを活用しつつ, 物流管理評価指標(積載率,空車率,実働率,運行効率)の現状値,理論値,目標値を実測及び設定することで帰り荷の確保を戦略的かつ効率的に行う方策を検討した。加えてトラック運転手の乗務シフトの効率化と輸送安全マネジメントの充実の両立について検討した。中継輸送におけるトラック運転手の乗務シフトの効率化を輸送安全マネジメントの視点から安全・安心に配慮しつつ実現するためのモデル構築を行った。構築したモデル上で中継輸送の活用の拡大により利益が向上する条件を明確化した。同時に安全・安心を考慮したシミュレーションモデルの解析と検証を行った。研究成果を踏まえ, 輸送効率化におけるコストメリット, スケールメリットと輸送安全マネジメントの充実の両立を可能とする現実的な方策を明らかにし, 論文発表・学会誌掲載をとおして提案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度研究計画は, 中継輸送の効率化についての実地調査を行ったうえで, 以下に示す4つの基本研究項目について研究を進めた。 1. ロジスティクス効率化のためのモデル化 前年度に提案した中継輸送ネットワーク整備による効率化策に基づく改善案に加え, 帰り荷確保における荷積み, 荷卸しの作業時間の短縮の効果検証を目的として, コンピュータシミューションを実施するため, 実態に合わせたシミュレーション規模や条件の決定, 並びに定式化の研究を行った。 2. 輸送先作業時間短縮のプロセスの明確化 輸送先での作業時間短縮のプロセスを明確化し, パレット荷役の導入による改善案の提案につなげた。あわせてパレット荷役導入による作業時間短縮のための方向性を検討した。 3. 乗務割作成プロセスの明確化 トラック運転手の乗務割作成プロセスを明確化し長時間労働の解消が可能となる改善策を明示した。トラック運転手に負荷のない乗務シフトの作成を念頭に群知能アルゴリズムの研究にも着手した。 4. シミュレーションモデル解析とモデルの解析及び検証 提案した荷積み,荷卸し作業の改善策及びトラック運転手の乗務割の効率化策のモデル化を行い,シミュレーションにより検討するための実データを収集した。 実際の輸配送の実態に合わせた規模や条件によって定式化し, シミュレーションを行い, その数値結果を解析し, 改善策及び効率化策の効果の検証を開始した。加えて1.から3.までの研究成果を踏まえ, 輸送効率化におけるコストメリット, スケールメリットと輸送安全マネジメントの充実の両立を可能とする現実的な方策を明らかにし, 論文発表・学会誌掲載をとおして発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究によりトラック運転手不足という課題への対応策として,次の2点が有効策として考えられるようになった。 まずトラック運転手のシフトスケジューリングに加え,入出荷先などの待ち時間を最小限に抑えるためのトラックバース予約システムを構築することである。本研究を通して入出荷バースとシフトスケジューリングの連携をいかに体系的に進めていくかということが今後の研究における重要なテーマとなることが明らかになった。 次にトラック運転手が荷物の積み卸しについて,手荷役で処理している現場がいまだに多い現状を認識し,パレット及びかご台車の導入を積極的に図ることによりどれくらいの作業効率化が図れるかを調査する必要があることがわかった。荷物をパレットに載せると,それによりトラックの積載効率は低下することになる。そのため一度に運ぶことができる全体量は減少することになる。ただしその一方で積込み,荷卸しの作業効率は向上し,トラック運転者の負担は大幅に軽減される。そこで積載効率と作業効率がトレードオフの関係にあることを踏まえて,中継輸送におけるパレット荷役導入について、より精緻な現場の状況をヒヤリング調査、アンケート調査を行い、検証し、シミュレーションモデルの改善並びに高度化を進めていくこととしたい。
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Causes of Carryover |
本年度開催されたICLS(開催国ベトナム)にかかった使用額が予定よりも少なかったためで,次年度使用額としては,国内学会での発表を追加的に増やすことを予定している。
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