2018 Fiscal Year Research-status Report
The Customer experience (CX) management in the IoT age - Analysis, Design, Calculus for the Customer Journey
Project/Area Number |
17K04017
|
Research Institution | Nagano University |
Principal Investigator |
木村 誠 長野大学, 企業情報学部, 教授 (40367420)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | カストマージャーニー / 顧客エンゲージメント / Internet of Things / システムダイナミクス / シミュレーション / 関係性マーケティング |
Outline of Annual Research Achievements |
データサービス会社から国内ドラッグストアのID-POSデータを入手し、大量のデータ前処理と商品かカテゴリー毎の時系列分析を試みた。廉価な日用品の購買データということもあり、カストマージャーニーとして特異なパターンを発見にはまだ至っていない。マーケットバスケット分析から得られた関連ルール分類を通じたカストマージャーニーのモデル化も試みている。 2018年8月8日から12日まで米国ボストンに出張し、American Marketing Association主催のSummer Academic Conferenceに参加し、関係性マーケティングの理論拡張および機械学習を用いたマーケティング課題の実証研究等の学術研究報告の聴講からカストマージャーニーの研究動向を把握、関連する文献およびデータの収集を行った。 2018年10月14日に開催された日本マーケティング学会第7回カンファレンス2018(早稲田大学・早稲田キャンパス会場)のオーラルセッションにおいて研究報告を行った。報告論文である「カストマージャーニー(CJ)とカストマーエンゲージメント(CE)の統合化モデルとシミュレーション」はオーラルセッション2018ベストペーパー賞を受賞した。 上記のベストペーパー賞受賞論文で提示した動的モデル内の顧客の感情レベルと満足レベルを2次元ベクトル化した修正モデルを構築し、顧客エンゲージメントの成果指標と見なした時系列データを用いた近似計算と、パラメータ変動による感度分析の実行から市場規模の推測を試みた。この研究成果を記述した学術論文を国内学会誌に投稿した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の3分野内の2分野である「理論研究分野」(先行研究の整理)および「モデル計算研究分野」は、「研究実績の概要」で記述したように、おおむね順調に進展している。研究成果である学術論文は日本マーケティング学会カンファレンス2018において、ベストペーパー賞を受賞している。 しかしながら、残りの1分野である「事例研究分野」では、IoT(モノのインターネット)サービス事例のデータ開示とその収集が困難な状況はまだ解決されていない。特に国内では次世代無線通信サービスである5G導入の様子見という企業が予想以上に多いことが判明した。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究期間3年目であるので、IoTサービスを利用する消費者行動の時系列データを数理科学で用いられている幾つかの分布関数の組み合わせから自動作成することを検討する。 顧客エンゲージメントの2指標(感情レベルと満足レベル)を用いた感度分析からのカストマージャーニー計算の洗練化、市場規模の予測およびシナリオ分析、そして結果検討からのカストマージャーニー設計指針の明確化を進めていく。 複雑な多重接触点対応モデルの構築技法として,システムダイナミクスとエージェントベースシミュレーション等の他のモデリング技法を組み合わせたハイブリットモデルの構築可能性とその試作についても検討する。
|
Remarks |
オーラルセッションの要旨・フルペーパー(報告概要)の閲覧・ダウンロードが可能です。
|