2017 Fiscal Year Research-status Report
IMCによるブランドエクイティ形成のメカニズムに関する実証的研究
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17K04020
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Research Institution | Kansai Gaidai University |
Principal Investigator |
姜 京守 関西外国語大学, 外国語学部, 准教授 (30757985)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | IMC / 消費者ベースのブランドエクイティ / ブランド信頼 / ブランド選好 / 知覚されたブランド品質 / ブランドの社会的影響 / ブランドの持続可能性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、企業のIMC活動がブランドエクイティ形成にどのような影響を与えるのかを構造方程式モデリング手法を用いて検証することを目的とし、以下の2点を初年度の研究課題とする。①IMCに関する幅広い文献を考察し、進化を遂げているIMC研究の発展過程を時系列的に整理し、今後の研究課題を見出す。②文献レビューによって明らかになったIMCとブランドエクイティの多次元構造をなす測定尺度を整理し、次年度実施予定のインタビュー調査に向けての質問項目を作成する。 初年度に実施した研究業績は、過去30年間、広告業界において活発な議論が行われてきたIMC研究の流れをニュー・パラダイムという観点から分析し、今後のIMC研究の方向性や新たな可能性を模索したことである。上記①の文献研究を行うとともに、国際広告祭や広告学会による複数のセミナーに参加し、限定的ながらもエキスパート(CMOやマーケター)から上記②に関する情報を収集した。その内容については関連分野の記事(2017年9月1日「広研レポートOnline」)や論文(『商学論纂』第59巻3・4号所収・2018・中央大学出版部)として掲載または投稿した(『国際ビジネスコミュニケーション学会研究年報』第77号・2018)。 また、以上の検討を踏まえて、各構成概念の多次元構造を整理し、本研究独自のリサーチモデルを考案した。そして、先行研究の検討から考案されたリサーチモデルをより頑健なものにするため、次年度は関連分野のエキスパートを対象にインタビュー調査を実施する予定である。そこから得られた知見を総合的に整理し、本調査で用いる独自のリサーチモデルを提案する。初年度に実施した文献調査の分析考察とその中間発表、限定的ながらもエキスパートから得られた定性データに基づいたリサーチモデルや仮説設定により、一定の成果が得られたと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、大きく、以下の3つの方向で、調査が進捗している。(1)これまでのIMC研究の文献調査を実施し、現状の把握と今後の課題について、幾つかの重要な知見を得た。(2)先行研究の分析考察を行い、リサーチモデルの構成概念をなすIMCとブランドエクイティの多次元測定尺度を考案した。(3)次年度のインタビュー調査に向けて、リサーチ・クエスチョンを作成した。 (1)については、これまでに発表された研究論文の内容分析を通じて、従来からの研究の流れを6つのカテゴリーに分類・整理し、IMC研究の体系化を試みた。(2)については、(1)の結果を基にIMCとブランドエクイティの構成概念を抽出し、さらにその影響要因を明らかにした。(3)については、(2)の結果と釜山国際広告祭の現地調査の分析結果を基に質問項目と調査設計を作成した。 (1)と(2)については、2018年3月1日発行『商学論纂第59巻3・4号(IMC研究の発展過程と今後の課題)』で論文として掲載した。(3)については、特に釜山国際広告祭で得られた多くの最新事例と複数の広告界のキーマンによるセミナー情報などは、2017年9月1日「広研レポートOnline」の『「クリエイティビティ+-×÷ テクノロジー」現代広告の流れ映すコンセプト』という記事で発表した。 以上の状況から、研究全体としての状況のみならず、当初予定していた初年度の実施プロセスも現在まで概ね良好に達成されていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度はまず、それまでに実施した調査・研究から導出したリサーチ・クエスチョンと調査設計の精緻化を行い、日本アドバタイザーズ協会の協力を得て、8月頃(第2次2019年2月頃)を目途にIMC関連のエキスパートを対象にした定性調査(インタビュー調査)を実施する予定である。その後、調査結果の分析考察を行い、秋の学会全国大会で発表したいと考えている。並行して釜山国際広告祭での現地調査も行い、本研究におけるリサーチモデルの諸構成概念の精緻化を試みる。なお、研究の進み具合によっては、IMC実施の主体である企業内のエキスパートを対象にアンケート調査が実施される場合もある。
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Causes of Carryover |
平成29年度は、当初予定していた「国際学会グローバルカンファレンスへの参加」や「研究成果の翻訳依頼」が行えなかったことなどにより、積み残し額が434,456円となった。平成30年度には、この積み残し額と予算1,100,000円(直接経費)を以下のように計画している。①成果発表のための学会参加旅費(国際学会2回、国内学会2回(約500,000円)、②研究成果の翻訳費用(約300,000円)、③ヒアリング調査およびインタビュー調査の旅費(約300,000円)、④インタビューの対象となる被験者への謝礼(約200,000円)、④インタビュー調査のアシスタント人件費(約100,000円)、⑤釜山国際広告祭における現地調査(約100,000円)、⑥書籍、文具など購入(残り約34,456円)。
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Research Products
(4 results)