2019 Fiscal Year Annual Research Report
How to increase social welfare derived through co-creation activities
Project/Area Number |
17K04023
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
青木 慶 甲南大学, マネジメント創造学部, 准教授 (50761045)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 価値共創 / ユーザーイノベーション / C to Cビジネス / リードユーザー / 社会的価値 / ブランド体験価値 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、消費者参加型の共創活動から派生する、社会的価値の可能性について明らかにすることであった。2017年度から2018年度にかけては、Appleの教育者に特化したユーザーコミュニティを対象に調査を実施し、企業とリードユーザーの共創により、教育を変革するイノベーションが行われていること、またそれに参画するリードユーザーらが、他者とのつながりに大きく動機付けられていることを明らかにした。 2018年度から2019年度にかけては、一般的なユーザーイノベーター(リードユーザーに対して)に焦点を当てて、調査を実施した。具体的には一般的な消費者(性別、年齢、居住地域を日本の人口分布比率と同率にした1,000人のサンプル)と、自身のスキルを活かしてC to Cビジネスに参画する者(ユーザーイノベーターとみなす)の比較調査を行い、後者の持続的幸福度が有意に高いことを明らかにした。 さらに、Appleのコミュニティの調査を通じて、他者とのつながりが、社会的な価値を創出し、さらにそれがブランド体験価値を向上させているのではないかということが示唆された。本研究ではこれに着目し、ブランド体験価値の向上と顧客のブランドへの貢献についても定量的に調査を実施した。その結果、両者に正の関係性があることが明らかになった。これは企業が共創活動に取り組む意義を明確提示するものである。 本研究を通して、個人が共創活動に参画することで、社会にも(e.g.教育の変革)、個人にも、企業にも有用な価値が生み出されていることが明らかになった。コロナ禍において、個人がそれぞれのスキルを活かして、社会に貢献する事例には枚挙にいとまがなく、この動きは今後も加速するものと考えられる。このような活動が、社会に価値をもたらすと同時に、当事者の幸福度をも高めることが示唆されたことは、意義のある発見であるといえよう。
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Research Products
(6 results)