2017 Fiscal Year Research-status Report
グローバル事業を成功させる後発国の担い手に関する研究
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17K04025
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| Research Institution | University of Marketing and Distribution Sciences |
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Principal Investigator |
白 貞壬 流通科学大学, 商学部, 准教授 (60400074)
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2017-04-01 – 2020-03-31
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| Keywords | 近代的小売業 / 外資規制 / 域内企業 / CMG / コストコ / 地元小売企業 / 成熟市場 / 消費者満足 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
まず、2017年8月に行われたミャンマーでの現地調査をもとに、「ミャンマーにおける近代的小売業の成長とその阻害要因」という研究ノートを2018年3月に『東アジア研究』で公表した。そこでは、ミャンマーにおける近代的小売業の成長を阻害する要因として、インフラの未整備や外資規制が取り上げられている。世界の小売産業の発展プロセスのなかから共通してみられるように、外資の地元小売市場への参入を積極的に進めることで競争力のある地元小売企業を育つべきである。それが流通の近代化の近道であり、それによって周辺産業への投資流入の拡大と雇用創出の効果を期待できる。それはまた地域間の経済格差を縮小するのに効果を発揮し、ひいては近代的小売業のチェーンスト化が達成できる動因になることが主張された。
第2に、2018年2月に公表した論文、“The Localization Strategies and Success of Costco: Focusing on a Japanese Mature Retail Market”では、比較的進んでいる国に進出した国際小売企業がいかに現地の消費者を満足させながら、成功を収めていくかを明らかにした。コストコの日本市場への参入については、大型総合スーパーが低迷状態にあったことや、大容量の商品のまとめ買いのニーズが少ないことなどから、当初は成功が疑問視された。しかし、コストコは試食販売専門の特別舞台を独自に備え、自社独自で開発した商品の良さを日本の消費者に認知してもらうことができた。結局、コストコは低価格で魅力ある商品をまとめ買いするという、当時の日本では潜在的だったニーズを掘り起こしながら、日本市場においても環境適応力を発揮してきたのである。
グローバル市場戦略において、新興国市場であれ、成熟市場であれ、それぞれ異なる市場コンテキストを理解することが重要である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
従来の小売国際化研究では、進んでいる多国籍小売企業の後れている国への進出およびその国際化行動に注目しながら、グローバル事業が国内事業とは異なるべき理由を究明することに重点を置いてきた。
本研究では、進出された後発国の小売企業の国際化行動およびそのグローバル戦略に注目する。そのためにも、新興国出身の国際小売企業の活躍ぶりとそれを刺激させた先端的小売企業の国際化行動を見ていくことは、後発国の担い手の行動まで踏まえて研究を進めるうえで示唆する点が多いと考えられる。
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| Strategy for Future Research Activity |
平成30年度の前半には、国内を含めたアジア諸国と欧米でのフィールドワークを本格的に実施する。まず、国内およびアジア諸国でのフィールドワークについては、前年度に引き続きファミリービジネスを行っている組織を対象とする。人的ネットワークを通じて適した視察先およびインタビュー相手の調整などを行いながら、フィールドワークを遂行する。次に、小売国際化に成功したファミリー企業のヒアリングについては、海外研究協力者のサポートを受けながら、フィールドワークを遂行する。
平成30年度の後半には、初年度の理論研究、国内外のフィールドワークを踏まえた上で、実証研究に向けた分析枠組みを構築し、国内およびアジア諸国を対象とする質問票調査（予備調査）を実施する。その際には、構成概念の測定尺度に関する精度を高めるため、作成した質問調査票を実務家と意見を交わし、特定組織の小売企業を対象にアンケートを実施することによって分析の信頼性を高めていく。
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Research Products
(2 results)
