2018 Fiscal Year Research-status Report
消費文脈における価値生成に関する研究:マクロ的視点とミクロ的視点の横断
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17K04030
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
大藪 亮 岡山理科大学, 経営学部, 准教授 (00637275)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 顧客経験 / エンゲージメント / 価値共創 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,顧客の長期的な消費文脈を対象に,ミクロおよびマクロの両視点を行き来しながら,顧客の文脈価値がどのように生成されるのかを明らかにすることである。その目的を達成する上で,4つの研究課題を設定している:(1)価値生成や文脈についての理論的検討,(2)ミクロ的視点による実証的調査,(3)マクロ的視点による実証的調査,(4)分析および理論的考察。 研究二年目となる平成30年度(2018年度)は,(2)および(3)に取り組みながら成果発表を行なった。(2)ミクロ的視点による実証的調査では,北欧雑貨やインテリアに関心の高い顧客に対するデプスインタビュー調査を実施している。(3)マクロ的視点による実証調査では,上記の雑貨やインテリア等に関心のある顧客に影響を与えている雑誌や書籍やSNSに関するデータ収集を行うことができた。それらの雑誌等は,顧客に対するインタビュー調査において語られたものベースに集めている。 また,理論的な成果の一部を,日本マーケティング学会カンファレンス等で発表するとともに,論文(学術論文2本+プロシーディング2本+書籍(分担)1冊)にまとめている。特に,日本マーケティング学会カンファレンスでのフロアからの質問や提案,議論を参考に,発表内容をブラッシュアップし論文にまとめていく。さらに,2019年6月に開催される国際会議Naples Forum on Serviceにも採択され発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度(2018年度)は,研究課題(2)および(3)に取り組んだ。計画通りに顧客インタビュー調査を実施し,豊富なデータを収集することができている。また,分析用データの一部となる雑誌や書籍等を収集し整理することもできた。令和元年度(2019年度)に取り組むデータ分析過程において,企業に対する追加的調査が必要となる場合は,データ収集を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる令和元年度(2019年度)は,研究課題(2)と(3)で得られたデータの分析と理論的考察を行う予定である。分担者と協力しながら分析を進めていくこととなるが,2019年4月から2020年3月まで,代表者がフィンランドでの在外研究に従事する。しかし,既にデータの収集はほぼ完了しているため,本研究課題の遂行に問題は無いと思われる。そこで,テレビ会議やメールを活用しながら分担者と協力し円滑に研究を進めるよう努める。フィンランドの受入研究機関先であるHanken School of EconomicsとUniversity of Turkuは,顧客経験やサービスの研究者も在籍しており,彼らとの議論を通じて本研究課題を展開することができるとともに,国際的なネットワークづくりが可能になると思われる。
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Causes of Carryover |
顧客インタビュー調査により得られた音声データ文字起こしサービスを利用する予定であったが,年度末での調査実施であったため,重要度の高いデータの文字起こしだけを行っている。そこで,今回生じた次年度使用額は,保管している残りのデータの文字起こしサービスに「その他」として支出する予定である。
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Research Products
(10 results)