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2018 Fiscal Year Research-status Report

資本予算のための情報収集活動と会計情報システム

Research Project

Project/Area Number 17K04036
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

松田 康弘  東北大学, 経済学研究科, 准教授 (70451507)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2021-03-31
Keywordsハードルレート / 資本予算
Outline of Annual Research Achievements

本研究は資本予算の手続を分析的手法によって分析し,会計情報システムの果たす役割を検討しようとするものである.
2018年度の研究では,高度に分権化した状況での新製品開発プロジェクトにおけるハードルレートの役割に注目した.ハイリスクな投資プロジェクトとローリスクな投資プロジェクトの間の資源配分が,ハードルレートにどのように影響されるかを検討した.その結果,(1) ハードルレートにより効率的な資源配分を実現するための条件,(2) プロセス・イノベーションの成果とプロダクト・イノベーション成果の間で共喰いが予想される場合には,ハードルレートがハイリスクな投資プロジェクトへの資源配分を抑制してしまう場合があること,(3) 共喰いが存在しない場合には,ハードルレートによる資源配分のコントロールはまったくできないこと,そして(4) 様々な状況における既存事業の収益性と,資源配分及び労働集約的支出との関係を示した.
これらの結果は,標準的なコーポレート・ファイナンスが指示する,リスクに基づいたハードルレートの設定方法と対照的なものであり,管理者のコントロールを考える際に注意すべき別の観点をハードルレート設定の問題に導入するものである.
2018年度の研究の結果は,``The Role of Hurdle Rate in Divisional Performance Evaluation and New Product Development with Alternative Opportunities''としてワークキングペーパーとしてSSRN (Social Science Research Network)上に公開されている.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究は資本予算における会計情報システムの役割を検討しようとするものである.モデル分析はおおむね順調に進み,2017年度も2018年度もワーキングペーパーを公開するに至った.2019年度はこれらの成果をベースに研究を進めることができる.
ただし内容的には,2018年度の研究成果は会計情報システムそのものの役割というよりは,管理者の行動をコントロールする上でのハードルレートや既存事業・製品の収益性の役割に焦点を当てたものであり,会計情報システムが出力する情報の質が研究の中心にあるわけではない.このため,本研究の進捗状況は「おおむね順調」と評価する.

Strategy for Future Research Activity

2019,2020年度は,これまでの分析結果を基礎にワークショップや学会等で論文を発表しつつ,分析モデルや分析対象を発展させていく予定である.特に2018年度の成果はハードルレートに関する新たな知見を特定するものであったので,これをベースに資本予算に関する研究を進めることができると考えられる.また,2018年度に公開したワーキングペーパーで使用している分析モデルは,原価企画といった経営管理技法の分析にも用いることができるため,管理会計実務に詳しい管理会計研究者にも意見を求め,こうした経営管理技法のメカニズムや問題点を整理する予定である.
本研究課題の題目にも含まれる会計情報システムについても,異なるリスクを持つプロジェクト間の資源配分に関連して分析を行える予定はあるため,様々な可能性を探る予定である.
本研究の成果として作成した分析モデルでは,2017年度も2018年度も事前の情報の非対称性をモデルに組み込んでいない.資本予算の先行研究ではこうした情報の非対称性を中心に分析モデルが組まれているが,本研究は実態としてモラルハザードを根源とする非効率を扱っている.このため,可能であれば情報の非対称性を組み込んだモデルを構築したい.

Causes of Carryover

次年度使用額は0円を超えたものの,その額は10,000円足らずで予定通りの執行が進んでいる.

  • Research Products

    (1 results)

All 2019

All Journal Article (1 results) (of which Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] The Role of Hurdle Rate in Divisional Performance Evaluation and New Product Development with Alternative Opportunities2019

    • Author(s)
      Yasuhiro Mazda
    • Journal Title

      Scial Science Research Network

      Pages: 1-13

    • Open Access

URL: 

Published: 2019-12-27  

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