2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K04046
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
大串 葉子 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (80325555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上總 康行 立命館アジア太平洋大学, 国際経営学部, 教授 (20121494)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 事業計画 / 海外進出 / 資本予算論 / 投資経済計算 / 意思決定プロセス / 業績評価指標 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、資本予算論ないし投資経済計算の視点から、日本企業の海外進出決定から事後監査までの一連の経営プロセス、さらに事後監査を経て決められる事業継続や撤退、転出という意思決定に際して、どのような会計情報が利用されているかについて、事例を用いて分析を行うことである。 このため、海外事業の業績評価に関する先行研究を十分理解したうえで、日本企業の国内外での聞き取り調査と実際の事業計画立案やその後の経緯の評価時に用いられた会計データの収集を実施し、海外事業を1つの事業プロジェクトとしてとらえて、海外進出計画の立案から事業の遂行、評価までの海外事業の経営プロセスにおける管理会計実務を探索的かつ経験的に分析することを目的としている。 当該年度は、書籍や論文などを読み込み、事業の投資評価や業績評価プロセスに関する既存理論の整理を精力的に行った。さらに、聞き取り調査と細部資料の入手により、企業の海外進出における事業計画から事後監査までの一連の経営プロセスにおける投資経済計算を用いた経済性評価の現状を明らかにするために、現在リサーチサイトとして確保している2社を中心に、複数回にわたって聞き取り調査とデータ採取を実施した。 途中経過ではあるが、明らかになった成果について、ニュージーランド管理会計学会で報告し、投資経済計算において国際的に著名な研究者である、デリル・ノースコット教授(オークランド工科大学)と、今後の研究の方向性について議論を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
文献研究は順調に進んでいる。しかしながら、モデル企業1社が新潟の豪雪地帯にあり、2017年度は特に積雪が多かったこともあって、交通アクセス困難から冬季に実施予定の聞き取り調査とデータ採取のための事前調整が十分に実施できなかったため、基本モデルであるプロトタイプの作成が未完となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
リサーチサイト2社への十分な調査を早期に完了し、一連の詳細な経営プロセスと評価手法のプロトタイプを作成する。そのプロトタイプをもとに、他の調査協力企業に対して調査を重ねてタイプ別に分類する。そして、実務で行われていることと既存理論との比較を試みる。
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