2019 Fiscal Year Research-status Report
中小企業に適した普及型ビジネス・プロセス管理モデルに関する研究
Project/Area Number |
17K04047
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
李 健泳 新潟大学, 人文社会科学系, 特任教授 (60212685)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長坂 悦敬 甲南大学, 経営学部, 教授 (00268236)
劉 雪峰 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (50571220)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | BPM / 業務進捗度管理 / 時間原価管理 / リードタイム管理 / ITツールの開発 / 中小企業 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,中小企業に適したビジネス・プロセス管理(BPM)モデルを開発し,それを中小企業に実装させるところにある。本研究では研究目的を達成するために,次のように,3段階に分けて研究を行うことにしている。第1段階は「段階的なプロセスの管理・構築論の確立」,第2段階は「企業との連携により,BPMの試行による導入要件の考察」,第3段階は「BPM普及モデルの開発にもとづく中小企業での実装」である。 2019年度では,最終の第3段階の研究である「BPM普及モデルの開発にもとづく中小企業での実装」を行ったが,実装を行う企業現場の協力や導入方法の調整に予想以上の時間がかかっていたために,研究期間を延長して2020年度にもITソリューションの改良と共に引き続き企業現場での実装を試みることにしている。 当BPMモデルに基づき開発したITソリューションでは,企業現場の従業員が自分の業務の開始と終了時に当該業務をクリックすることにより進捗度やリアルタイムで遂行状況を把握することができる。当ITソリューションでは,業務プロセスを構築し,現場の作業員が構築されているプロセスに基づき業務を遂行することで,担当プロセスの遂行時間が記録され,担当プロセスにおける遂行時間のバラツキ,コスト,リードタイムが同時に把握できる仕組みになっている。したがって,2020年に入ってのコロナウィルスの流行で在宅勤務が多くなっている現状を考えると,当モデルの企業導入の意義は大きいと思われる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度の研究目標は当研究の最終目標である「BPM普及モデルの開発にもとづく中小企業での実装」である。当研究は,研究期間を1年延長して行われることになったが,企業現場の協力が得られるようになれば,時代の要請に応えるモデルになることが企業関係者との話し合いで確認することができた。特に,IT活用による業務推進や遠隔業務処理が必要な時代の背景を考えると,当モデルの有用性は高いと考えているので,今後も引き続き企業側の協力を得ながら当モデルの実装に取り組む予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
当研究の最終目標は「BPM普及モデルの開発にもとづく中小企業での実装」である。したがって,当研究は,企業側の経営者のみならず,ツール実行者の協力も得る必要がある。IT活用による業務推進や遠隔業務処理のための業務推進プロセスの確立の必要性に関する認識は,現場の作業員にとっては内部統制の手段として受け止められる傾向がある。当モデルの実装のために,実装の前段階としての現場で導入の必要性に関する説得も行い,実装して行く予定である。
|
Causes of Carryover |
前年度の未使用額は予定した実装のための現地訪問および研究会が中止になり,次年度に延期されたことによって生じたものであり,次年度の現地訪問及び研究会に伴う旅費として使う予定である。 2020年度には,実装のための中小企業の現場訪問とともに,成果を発表する機会を設ける必要があり,そのための必要な旅費が発生すると予想されるので,それに充てたい。
|