2018 Fiscal Year Research-status Report
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17K04066
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Research Institution | Dokkyo University |
Principal Investigator |
大坪 史治 獨協大学, 経済学部, 准教授 (20555263)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黄 海湘 獨協大学, 経済学部, 非常勤講師 (60626505)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 非財務報告書 / 非財務情報 / 統合報告書 / CSR / 持続可能性 / 環境報告書 / ナラティブ情報 / テキストマイニング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、多様化する非財務報告書の類型化、変遷、トレンド、枠組みの理解、将来予測や企業ごとの位置関係の把握を目指してこれまで進めてきた。 本年度の研究は、非財務報告書のタイトルなどの形態からではなく、報告書に記載されるナラティブ情報を定量化した情報から報告書の類型を導くことを目的に、非財務報告書7,789冊に出現する単語とその頻度を手掛かりにして報告書の類型化をおこない、過去10年(上位1000語、1998年-2017年)における分布の経年的変化を示し類型などを考察した。非財務報告書は年を重ねるごとに多様化しながらも、明確なグループを形成しつつあることや、年度ごとの単語の種類に変化がなく、かつ明確なグループを形成することから、作成者側は情報の取捨選択を行い、何らかの意図をもって情報発信しようとしている現象を確認したこと、金融・保険業界において独自性が認められるが、その他の業種は、業種特性が類型化にさほど大きな影響を与えていない点など新たな知見を得ることができた。また、今後の展望として、データ数の確保と辞書・リストの充実、トレンド(基準)との合致度の分析(業種ごとのモデル企業、ガイドライン、報告書フレームワークや国内外機関が公表する報告書など)、海外先進企業(エクセレントカンパニー)との比較(「コーポレートナイツ社Global 100」,「Fortune Global 500」, 「フューチャー協会・環境経済学研究所、持続可能性報告書ランキング」など)などが挙げられ、最終年度に着手していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画通り、平成29年度と平成30年度と着実に研究を重ねている。本年度は、他大学の先生のアドバイスを受けながら分析方法およびプロセスについて他の方法を一つ一つ丁寧に検証を行った。そのうえで研究成果のアウトプット作業を行っており、最終年度に作業が少し持ち越されている状況である。しかし最終年度の研究に向けて並行して研究準備を進めているため、最終年度も研究実施計画どおりに遂行できるものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、平成30年度の研究成果のアウトプット作業を行いつつ、本年度の研究計画である日本企業と海外先進企業の比較分析の準備を行っている。海外先進企業の選定と非財務報告書の収集は終了しており、試験的な分析を繰り返している。年度内には研究成果をとりまとめ、研究報告を予定している。また、海外先進企業の現状把握については、ヒアリング調査を中心に報告書の中ではみえてこない報告目的、作成意図、トレンド、将来の方向性などの把握に努めることを心がけ、ヒアリング調査や訪問する企業について、再度、慎重に検討をおこなっている。また、WEB上での研究成果の公開も今年度検討している。
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Causes of Carryover |
出張旅費を節約したために次年度使用額が生じた。次年度使用額は、不足することが予想されるデータ収集の人件費に充当し、また調査出張先の候補について慎重に検討を重ね本年度分と合わせて計画通りに使用したい。
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Research Products
(1 results)