2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K04072
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
上野 清貴 中央大学, 商学部, 教授 (90140631)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 収入支出観 / シュマーレンバッハ / ワルプ / コジオール / 購入時価会計 / 売却時価会計 / 資金会計 / 公理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、「会計観としての『収入支出観』に関する総合的研究」である。平成30年度は、ドイツ会計における収支的会計理論を総合的に研究し、一応の完成を見た。それは平成30年6月に中央経済社から出版された『収入支出観の会計思考と論理』である。 本書の目的は,会計の体系を首尾一貫して統一的・論理的に説明することである。具体的には,会計観としての資産負債観(asset and liability view)および収益費用観(revenue and expense view)に代えて,「収入支出観」(Einnahme und Ausgabe Auffassung)によって会計を統一的・論理的に説明することである。 それは9章から構成されており、その章立ては次のとおりである。第1章「会計観としての収入支出観」、第2章「収入支出観の萌芽―シュマーレンバッハの動的貸借対照表論―」、第3章「収入支出観の展開―ワルプの給付・収支損益計算論―」、第4章「収入支出観の再展開―コジオールの収支的貸借対照表論―」、第5章「収入支出観と購入時価会計」、第6章「収入支出観と売却時価会計」、第7章「収入支出観と資金会計」、第8章「収入支出観の公理化」、第9章「収入支出観の論理構造」 そして本書の最後に,収入支出観が会計の体系を首尾一貫して統一的・論理的に説明できることを改めて指摘した。同時に,これらの考察に基づいて,今後,会計を収入支出観から見ていくべきであり,会計理論構築や会計基準設定に際して,収入支出観を基礎におくべきことを強調した。 本書が平成30年度の本研究課題における最も主要な研究実績である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究課題は「会計観としての『収入支出観』に関する総合的研究」である。上述したように、平成30年度は、ドイツ会計における収支的会計理論を総合的に研究し、一応の完成を見た。それは平成30年6月に中央経済社から出版された『収入支出観の会計思考と論理』である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題である「会計観としての『収入支出観』に関する総合的研究」は著書の出版という形で一応の完成を見たので、平成31年度および令和元年度は、本研究の成果を踏まえて、次の研究課題に取り組む予定である。それは、会計を科学的および論理的に研究しようとするものである。 そこでは,科学哲学の思想を背景として,会計を科学的および論理的に考察し,様々な角度から会計の本質を解明することを目的としている。会計を科学的および論理的に考察することによって会計のあるべき姿が見えてくる,というのが次の研究課題で最も主張しようとする点である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が21,657円であり、小額なので、平成31年度の消耗品等で使用することにした。
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