2018 Fiscal Year Research-status Report
国際会計基準第41号「農業」の適用実態調査に基づく公正価値会計の考察
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17K04077
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
戸田 龍介 神奈川大学, 経済学部, 教授 (00271586)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 農業会計 / 国際会計基準 / 公正価値 / 生物資産 |
Outline of Annual Research Achievements |
公正価値会計モデルに基づく測定が,実際に適用されるとどのようになるのかを知るために,一例として、IAS第41号「農業」を適用しているスウェーデンの森林企業であるHolmenの2016年度アニュアルレポートをbun分析した(Holmen2016,42,43,59,82)。 Holmenは,すべての森林資産を,公正価値により生物資産として認識される「育成森林(growing forest)」と,原価で表示される「土地」とに分けている。Holmen支配下の森林の価値を測定し得る市場価格は存在しないため,育成森林の公正価値は,当該森林から得られると期待される売却コスト控除後の将来キャッシュ・フローの現在価値を見積もることにより測定される。当該レベル3測定は,森林の収穫サイクルとみなされる100年間にわたって行われる。毎年のキャッシュ・フローは,収穫計画に基づく収穫予想量,将来予想価格およびコスト変化の見積もりに基づき,5.5%の利子率で割引計算される。 以上のような各種様々な予測・計画に基づき,2016年度Holmen支配下の生物資産の公正価値は17,446百万SEKとして貸借対照表に,また,生物資産の公正価値変動は315百万SEKとして損益計算書に測定・表示されたのである。 本年度の研究実績としては、Holmen社を代表例に、世界の農林水産業を営む上場企業が、日本では見られないIAS第41号「農業」の適用により大胆な公正価値測定を行い、かつ包括利益を多額に計上していることを明らかにしたことである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
進捗状況は一部進んだが、これは、世界の農林水産業のアニュアルレポートを入手することが出来たためである。具体的には、Anglo-Eastern Plantation他28社の2012年から2016年にわたるアニュアルレポートが入手できた。さらに続けて、Food Kindred Products,およびAsian Bamboo AG他7社の2012年から2016年にわたるアニュアルレポートも入手できた。これらの資料の入手により研究が進んでいる。 これに対し、最終的な判断としては、現在までの進捗状況は、やや遅れている。これは、想定外の学部長選任により、予定していた海外インタビューをまだ行っていないことによる。したがって、海外調査及び海外研究を行うのが、残りの研究期間での課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
アニュアルレポート分析に必要な資料は、かなり収集したとは言え、まだ十分ではない。よって、IAS第41号「農業」を適用している世界の農林水産企業のアニュアルレポートの収集には、さらに力を入れていく。加えて、上記の【現在までの進捗状況】でも述べたが、海外企業へのインタビュー調査がまだなので、この点に重点を置き、今後の研究を推進させて行くことを考えている。
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Causes of Carryover |
2017年度及び2018年度は、予定していた海外へのインタビュー調査に行けなかった。これは、予想外であった学部長選任による。本年度は、過去の未使用分と合わせて、これまで遂行できなかった海外への調査・研究に頂く予定の助成金を使用したいと考えている。
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Research Products
(2 results)