2020 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on the Fair Value Accounting based on the Actual State of IAS41 "Agriculture" Adopting Companies
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17K04077
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
戸田 龍介 神奈川大学, 経済学部, 教授 (00271586)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 農業会計 / 公正価値 / 国際会計基準 / 生物資産 / 会計測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究最終年度において、これまでの研究期間全体を通じた研究に基づき、大きな研究成果を出すことができた。その最たるものが、2020年9月5日(土)に行われた日本会計研究学会第79回全国大会(Zoom開催)の統一論題報告Ⅱ(座長:戸田龍介)である。学会統一テーマは「会計思考の継承と発展」であったが、その統一テーマの下、申請者を座長とする会場では「北海道から考える会計」を会場テーマとして設定した。当該会場テーマ設定については、まず継承・発展すべき会計思考とは「貨幣額による計数的測定」であることを見定めた後、この測定について、これまで会計の測定対象とは考えられてこなかった自然資本や国立公園の環境に注目し、これら新たな測定対象が多数存する北海道を議論のスタートの場としたのである。 上記の視点は、これまでの本研究の成果から得られたものが大きい。国際会計基準第41号「農業」の適用に基づく公正価値測定は、これまでの取得原価を基本として期間配分を重視する伝統的会計思考とは大きく異なるものであったからである。調査対象であるIFRSを採用する世界の農林漁業企業グループは、各グループとも公正価値で測定される生物資産を財務諸表に計上し、その変動額を利益の構成項目としており、同様に、これも公正価値測定される農産物を棚卸資産として計上し、その変動額をまた利益構成項目としていることが研究の結果明らかになっている。 本研究から得られた以上のような諸点に基づいて、学会統一論題報告・討論では、時代の変化に対応した新たな会計測定の再構築を提言することができた。全国学会の統一論題報告という多くの研究者が注目する場において、本研究の成果に基づく提言が行えたことは、本研究自体の意義および重要性を証するものと考えられる。
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Research Products
(3 results)