2019 Fiscal Year Research-status Report
Accounting of the British East India Company in 17-19th ; Bookkeeping of Factories in India
Project/Area Number |
17K04082
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Research Institution | Osaka University of Economics |
Principal Investigator |
杉田 武志 大阪経済大学, 情報社会学部, 教授 (80509117)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 複式簿記 / Financial Statement / East India Company / Private Trade / Double Entry Bookkeeping / Factory |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,3か年計画のもとイギリス東インド会社における在外商館の会計の仕組みを明らかにすることを主目的としていた。当該年度は最終年度ということもあり,これまでに実施してきた先行研究のサーベイなどを基に,関連する(過去に入手した)史料なども用いて研究を進めた。しかし,必要となるインド商館の史料のサーベイ,入手には,それらが膨大であるがゆえに予想以上の時間がかかっていた。そこで,既存の保有史料などに基づきロンドン本社に反映されている海外商館関連の情報の分析を進めていった。 一方,2018年9月から2019年8月までサセックス大学ビジネススクールに在外研究のために滞在をしていた。その間,東インド会社の議事録,会計関連,商館関連史料などが所蔵されているロンドンの大英図書館での史料調査等も実施することで,必要となる史料にも一部アクセスすることもできた。加えて,在外研究を通して海外の研究者との交流を通して,自身の研究に関して議論を進めていった。このほか,2019年8月にスコットランド・アバディーン大学で開催されたリサーチセミナーで研究発表を実施した。2019年9月にも,イングランド・オームスカークで開催された国際学会Accounting History Review Conference(於:エッジヒル大学)でも研究報告を実施した。海外での研究発表を通じて,研究成果の一部を海外の研究者に向けて発信・共有することもできたといえる。とはいえ,在外商館における会計システムの分析は相当に時間が必要な状況であり,道半ばという状況である。まだ入手すべき史料も多く残っている状況である。それゆえ,研究資金の延長使用に基づき,引き続き研究史料の入手を試みるとともに,史料の分析ならびに,研究成果の発信を続けていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の計画よりも遅れている。これは,主に,商館会計の仕組みを分析する上で入手すべき史料のレファレンスなどの確認が遅れたことに加え,史料の多さ,複雑さなども原因となっている。一方,周辺領域となる先行研究などのサーベイにも多くの時間を費やしたことなども遠因ではあるものの,研究の進捗に影響を及ぼしたと考えている。 その他にも,イギリスから郵送した研究関連資料,文献等(段ボール1箱)が,配達業者のもとでミッシング(行方不明)になったことなども帰国後の研究活動に若干ではあるものの影響を及ぼしたといえる(本来であれば2019年9月到着予定であった)。このことは当初,想定していなかった事態である。 あわせて,2019年9月以降の帰国後においても,本研究課題以外のところも忙しく,想定した以上に研究に注力できなかったこともあり,必要となる史料の中には未だ入手することができていないものも多く残っている。そこで,2020年度において,改めて史料の入手も試みる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
残された資金を基に,必要となる史料の入手や関連する文献の入手を主に進めたいと考えている。なお,研究成果の一部は2020年度も研究会,学会等で報告したいと考えていた(しかし,2020年5月時点でコロナウイルス禍により,研究発表をアプライしていた海外の学会もすでに中止が決定している)。今後の状況次第であるが,研究報告の実施も検討している。
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Causes of Carryover |
史料の複雑さなどもあり,入手すべき史料の確認などに時間も割いたことや,先行研究のサーベイにも多くの時間を費やしたことなどもあって,当初の予定よりも研究課題に直接的に取り組むことができなかった。加えて,当該研究課題以外のところも忙しかったこともあげられる。さらに,在外研究後には,イギリスで研究活動に使用した関連資料などが本来手元に届くはずであったものの,現地の配送業者の下でミッシング(行方不明)になったことなども,帰国後の研究の進捗に少なからず影響している。2020年度については,関連する文献の入手,史料の入手(複写費)などに充てたいと考えている。
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Research Products
(1 results)