2022 Fiscal Year Annual Research Report
Accounting of the British East India Company in 17-19th ; Bookkeeping of Factories in India
Project/Area Number |
17K04082
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Research Institution | Osaka University of Economics |
Principal Investigator |
杉田 武志 大阪経済大学, 情報社会学部, 教授 (80509117)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 理事会 / 出資者総会 / 船舶所有者 / 複式簿記 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年度以前より検討してきた、東インド会社のロンドン本社とインドなどにある在外商館の間で実施された商品の輸出入取引と私貿易取引について、継続して史料批判を実施することに注力した。具体的には、本社理事会側と私貿易に携わった人物に関してプリンシパル・エージェンシーの関係を考慮して、私貿易を実施した人物(特に船舶所有者)についての属性と本社の理事会メンバーとの関係性を検討しながら、本社における複式簿記による私貿易の記録管理について考察を行ってきた。これらの考察に基づき、ロンドン本社と在外商館間の複式簿記に基づく会計記録の役割を間接的に検討してきた。それゆえ、ロンドン本社へと導入された複式簿記に基づく会計記録、ロンドン本社の執行機関となる理事会、それに加えて出資者総会の議事録、私貿易に関する記録なども包括的に検討対象としてきた。 最終年度における研究費支出であるが、主に上述したような研究史料の入手に資金多くを充てた。また、当該年度も、教育、学務等により、当該テーマに割くエフォートが低くなり、想定したよりも、研究の進捗が芳しくなかったことは否めない。したがって、同社在外商館における会計の役割の解明という本研究の中心課題に関しては、さらなる検討が必要である。 なお、本研究の全期間では研究成果として、雑誌論文4本、研究発表3回というものであった。既述のように、本研究期間では、主に本国から離れたインドなどに設けられた在外商館への商品の輸出、そして在外商館からの商品の輸入と、本社による用船の船舶所有者における私貿易を取り上げながら、複式簿記による記録管理という観点から簿記会計の役割を検討しており、それに関する研究成果が上述したものの中に、いくつか含まれている。これらの他に、現在は、本社と在外商館における会計の役割に関して、研究成果をまとめる作業を継続しているところである。
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