2020 Fiscal Year Research-status Report
逸脱理論の適応性:日本人高校生のジェンダーギャップと一般化可能性
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17K04095
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小林 恵美子 金沢大学, GS教育系, 教授 (60319241)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | セルフコントロール理論 / 逸脱行為 / 日本人高校生 / ジェンダー / 逸脱理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、「ジェンダー・ギャップ」という論点を基に、セルフコントロール理論(Gottfredson & Hirschi, 1990)の適応性を明らかにした。 まず初めに、「自制心が逸脱行為を抑止する」という命題を基に、「日本人男子高校生より女子高校生の方が逸脱防止に効果的な躾を受け、その結果、自己統制力が高くなるため、逸脱行為を自重する傾向が強い」という仮説を立てた。次に、この仮説の妥当性を検証するため、大学1年生を対象とした回顧型Webアンケート調査のデータを使って、理論に忠実に、以下2つの主要概念を測定する尺度を作成した:①「子供の行動監視」「逸脱行為の認識」「逸脱行為の処罰」という、3つの要素から成る逸脱防止に効果的な家庭での躾、② 「衝動性」「単純課題志向」「危険探究心」「身体的活動志向」「自己中心性」「短気」という、6つの要素から成る低自己統制力。なお、低自己統制力については、それぞれの要素に対して4項目ずつ割り当てられた、信憑性・妥当性が高いとされるGrasmick et al.(1993)の尺度の日本語版(Kobayashi et al. 2010)を使用した。続いて、相関分析と重回帰分析を併用して、仮説の実証的妥当性を検証した。重回帰分析では、ひとり親家庭と親の学歴を統制変数として加えた。分析の結果、上記仮説が正しいことを示唆する結果が得られた。これはつまり、アメリカで構築され、主にアメリカで検証されてきたセルフコントロール理論が、文化とジェンダーを超えて、日本人高校生に適用し得ることを示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症拡大のため、発表・参加を予定していたAmerican Society of Criminologyが中止となり、論文執筆のための海外渡航もできなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
海外の大学・研究所に所属する研究者と論文を執筆し、国際ジャーナルに投稿する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症拡大のため、発表・参加を予定していた国際学会が中止となり、論文執筆のための海外渡航もできなかったため。
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