2018 Fiscal Year Research-status Report
Representation of Collective Memories in the Manhattan Project National Historical Park
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17K04099
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
桝本 智子 関西大学, 外国語学部, 教授 (00337750)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 原爆 / マンハッタン計画 / 国立歴史記念公園 / 集合的記憶 |
Outline of Annual Research Achievements |
マンハッタン計画歴史記念公園の設立に伴うイベントとしてサンタフェにあるNew Mexico History Museumで開催されていた特別展"Atomic History"を訪問した。展示物収集と解説書を担当したMelanie LaBorwit氏にインタビューを行った。サンタフェは戦時中「秘密の町」であったロスアラモスへの入り口として使われていたので、マンハッタン計画との繋がりは深い。ロスアラモスではマンハッタン計画の成功物語が近年特に強調されるようになったが、この特別展示はニューメキシコ州全体の核との関連性を強調したものであり、従来のマンハッタン計画のみに注目をしたものではなく、ニューメキシコにおける核の負の部分を取り上げた初めての展示でもあることに注目をした。また、マンハッタン計画歴史記念公園設立のいきさつについて話を聞くため、前国立公園長官であるUC-Berkeley大学のJarvis教授にインタビューを行った。Jarvis教授の説明から国立公園は主に戦場後を指定するものも多く、近年はマイノリティーや負の遺産を取り上げる傾向があることがわかった。国立歴史公園に指定されるには数年のリサーチを要するが、当時直接関わった担当者を教えてもらい、次年度にインタビュー協力を要請する予定となった。 ロスアラモス歴史協会が主催を予定していた「ヒロシマ・ナガサキ展」が実施されない見通しとなったため、広島平和記念資料館とも連絡を取り、今後海外で開催される原爆展の情報収集と開催地での取材の計画を進めることになった。 前年度からの成果をまとめ、Southwest Popular/American Culture Associationで発表を行った。歴史学者やアメリカ文化を専門とする研究者からのフィードバックを多く得ることができ、研究資料の幅を広げることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マンハッタン歴史記念公園の設立は開始されているが、記念公園自体の予算により公園設備の進捗状況は当初よりも遅れている。また、紹介された関係者への連絡が上手くいかないこともあり、他の関係者に再度連絡を取ってインタビュー調査を申し込むなど時間がかかる状態が度々起こっている。しかし、全体的には多少の遅れはあるが限られた時間で予定の修正をしながら研究を進めることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
予定をしていたロスアラモスにおける「ヒロシマ・ナガサキ展」が広島平和記念資料館や長崎の関係者がロスアラモスを訪問し話し合いを進めてた中で、ロスアラモス歴史協会の理事会により開催決定が採決されなかったため、現地でのインタビューを行うことができなくなった。2019年度にアメリカで他に2候補地で原爆展が開催されるので、予定を変更していずれかの開催地でインタビュー調査を行うする予定である。また、広島平和記念資料館の東館がリニューアルオープンをしたので見学、および、関係者へのインタビュー調査を行う。
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Research Products
(1 results)