2017 Fiscal Year Research-status Report
鳥取県における女性と地域政治の変容過程――戦後から現代まで――
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17K04105
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
春日 雅司 神戸学院大学, 人文学部, 教授 (90152660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹安 栄子 京都女子大学, その他部局等, その他 (70131414)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 女性の政治参画 / 地域社会 / 地域政治 / 市町村合併 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度の前半は鳥取県に在住する女性地方議員のうち現職ならびに元職、計4名より聞き取りを行い、女性議員としての活動の足跡と平成・昭和という時代における地域政治の在り方について語っていただいた。本研究が目指す戦後から平成の大合併という期間の女性と地域政治の動向を生身の人間から聞き取るという意味では、これだけではもちろん限界はある。ただ、聞き取りを行った1名は80才を超え、戦前から戦後の鳥取における幼少期についても語ってくれただけでなく、その後回顧録を出版したことでわれわれの研究にとって非常に有益な情報源だと考えている。 後半は主に文献や資料・データの収集にあたった。鳥取県において女性をめぐる文献や資料は2000年代になって『とっとりの女性史』という形でまとめられるが、これ以外で継続していたものとしては「連合婦人会新聞」と極めて断片的ではあるが「地域婦人会新聞」がある。他は県・市町村誌史や広報誌さらに各地の民俗誌、日本海新聞をはじめとする新聞記事などがあり、これらについては図書館などで順次閲覧・収集を進めている。地域政治をめぐる選挙データなどは県の選挙管理委員会でまとめられたものを中心に大部分は容易に入手できるが、そこから漏れたデータについては市町村誌や新聞などから丹念に拾い集める作業を続けていった。もちろん、いずれの作業もなかなか骨の折れることばかりであり、次年度以降も続ける予定である。 以上から、本研究を遂行する上での見通しはほぼ立てることができた。ただし、戦後から昭和50年頃までの女性にまつわる政治や生活に関する情報が初年度ご本人の都合などもあり絶対的に不足しており、これについては次年度の重要な課題として残ることになる。このあたりの問題を含め引き続きインフォーマントを探し聞き取りを続けると同時に、資料・文献などの収集・整理も続けていくことが必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
概要で触れたように、女性の政治参画に関するもの、地域社会や地域政治にかかわり文献や資料、選挙データなどについて、どこにどのような資料・文献があるかについてはおおむね見当がついた。しかし、それらの閲覧・収集・整理についてはそう簡単ではないことが判明しているが、年度末の異常気象で現地へ行くことが難しくなり十分時間を確保することができなかったことが大きな理由である。これについては次年度以降改善できると考えている。 聞き取りについては内容の文字化も終わり、順次整理できている。ただし、聞き取りを行った議員たちは在任期間の比較的長い人たちではあるものの過去30年が活躍の最盛期であり、それ以前にさかのぼって得られる情報は少ない。本研究の趣旨からすると、古い時代についてのインフォーマントをもう少し探し出し、戦後から現代に至る時代の情報をバランスよく配置できるようにするのがいいのだろうと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
女性の政治参画に関する資料・文献、地域社会や地域政治にかかわり文献や資料、選挙データなどについては鋭意閲覧・収集・整理を進めていく予定で、これは時間をかければ着実に進行することがわかっているので、進めたい。 女性の政治参画については引き続き現職・元職の議員や関係者から聞き取りを行うだけでなく、もう少し古い時代のことを知っているインフォーマント(一般の人たちを含める)を探し出し、この人たちから聞きたいと考えている。 2年目に入るので、全体を見据えた枠組みと中身についての整合性などについても考えていきたい。
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Causes of Carryover |
当初予定していた鳥取県への出張が聞き取り予定者の都合(1件はご本人の希望、1件は選挙のため)だけでなく、大学の都合のために3回ほど実現できなかったこと、聞き取り作業が少なくなった分テープ起こしなどの支払い金額が少なかったこと、収集すべき図書の発注ができていなかったことで、残金が発生した。 次年度はこの点十分留意し、適切に研究を遂行していく予定である。
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