2019 Fiscal Year Annual Research Report
Viewing in Japan and Korea and Representation of 'Colonial Period' in Korean Post-war Cinema
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17K04109
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
梁 仁實 岩手大学, 人文社会科学部, 准教授 (20464589)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 韓国映画 / 植民地朝鮮 / ジェンダー / 連帯 / マイノリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究3年目の今年度(2019年度)は研究計画の最終年として今までの研究成果をまとめつつ、以下の3点に着目して研究を行った。 1)近年韓国で製作されている「植民地期」の独立運動とジェンダーの問題、2)1970年代の日本で作られた「在日」映画で「植民地期」とその直後がどのように表象されていたのか、3)「植民地期」当時、植民地朝鮮の地方(釜山)に住んでいた在朝日本人たちはどのようにして映画に係ることができたのか、という3つである。 これらの課題についてはそれぞれ 1)口頭発表「韓国映画における植民地都市京城と女/性」(2019年8月20日、カレル大学 於:プラハ)2)口頭発表及び出版(近刊)「在日二世の「祖国」と「青春」-映画『異邦人の河』と沖縄上映」(2019年7月12日 Tuebingen大学、近刊)、3)口頭発表「『釜山日報』と在朝日本人の映画作り」(2020年2月9日予定であったが、COVID-19の影響により取り消し、主催:高麗大学グローバル日本学研究センター、2020年9月論文集として発行予定)において成果を発表する予定である。 これらの研究においては、1)今まで男性「英雄」や一部の女性による歴史の語りが映画にも反映されてきたが、近年韓国のフェミニズムやジェンダー、Me Too運動に刺激され、女性たちの連帯、「名もなき」民衆の主体的な力による独立運動が描かれているのが禁煙の韓国映画における「植民地」表象の特徴であることを明らかにした。2)1970年代日本のなかで「在日」として初めて映画を作っていた李学仁の作品が沖縄の上映運動により東京や大阪よりも多くの反響を呼んだことに着目した。これは1)と同じようにマイノリティ(沖縄、「在日」)同士の連帯の視点から日本帝国の歴史を考え直そうとする動きでもあった。3)植民地朝鮮において映画製作の中心地である京城でなく、釜山で映画を作った在朝日本人に着目した。
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Research Products
(3 results)