2018 Fiscal Year Research-status Report
「地方消滅」言説下における、脱「選択と集中」型まちづくり形成過程に関する比較研究
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17K04132
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
矢部 拓也 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(社会総合科学域), 教授 (20363129)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | まちづくり / 公民連携 / サイクルツーリズム / 再開発 / リノベーション / 中心市街地活性化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,熊本市において展開されている白川の水辺空間の公民連携の利用事例のフィールドワーク,日本初の法定再開発から地域発意のエリアマネジメント会社を設立した堀田勝彦さん(名古屋長者町 錦二丁目まちづくり協議会会長)へのヒヤリング,北海道帯広市で行われたサイクルツーリズムへの参与観察,継続して行っている滋賀県長浜市のまちづくりへのフィールドワークを実施した。 熊本では,数年前から公民連携で水辺空間の利活用をすすめる国土交通省が主導するミズベリングなどと連繋しながら活動が始まっていたが,現在は,地元で新たに立ち上がったShirakawa Banksという団体が中心となりながら日中のマーケット,夜市,BBQなど様々な利活用の実験を進めている。名古屋の事例は現在再開発が現在進行形の事例であり,大手資本の再開発と協働した地域発意のエリアマネジメント事例であり,先進的な事例ではあるが,今後,実際にどこまで地域で描いたようになるのかを追って行きたいと考えている。北海道では,東京オリンピックのマウンテンバイク代表の山元幸平の出身地である帯広市で,彼も交えたサイクリングイベントへの参与観察を行った。最終日にはとかち空港において公民連携したシンポジウムを行い今後の自転車を中心としたまちづくりを議論を行い,単なるイベントに終わらないまちづくりにもつなげる流れを創り出し,本年度も開催されることとなっている。サイクルツーリズムによる地域社会の変容に関して本年度も継続して調査をしてゆく。長浜市は,これまでは既存の建物のリノベーションによるまちづくりを中心としてきたが,近年,駅前の再開発が行われ,現在も街中の再開発が進んでいる。この異なった手法が今後の長浜のまちづくりにどのように影響を与えて行くのかを継続して調査している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
帯広でのサイクルツーリズムへの参与観察は行えたが,日程調整がうまくゆかず,当初予想していた海外調査の実施がおこなえなかった。 本来はこれまで継続的に調査してきた事例だけではなく,新規の調査対象地に赴く予定であったが,これも日程調整がうまくゆかず,実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
熊本の公民連携による水辺空間利用,名古屋の地域発意のエリアマネジメント事例,北海道のサイクルツーリズム,滋賀県長浜市のまちづくりは継続して本年度も調査を続け,これらの事業が地域社会に与えている影響について調査を行って行く。 研究申請時には予想していなかった自体があり,長期間にわたる調査の日程調整が困難な状況にあるので,調査期間の延長をふくめて,調査計画の再考を本年度は行ってゆこうと考えている。
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Causes of Carryover |
本年度予定していてサイクルツーリズムの海外調査が日程調整がうまくゆかず実施できなかったため。申請時には予想していなかった用務が発生したため,当初予想していた長期調査の日程調整が難しくなってきているが,早めに日程調整を行うことで,調査を実施,もしくは,調査期間の延長を検討している。
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