2020 Fiscal Year Research-status Report
「地方消滅」言説下における、脱「選択と集中」型まちづくり形成過程に関する比較研究
Project/Area Number |
17K04132
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
矢部 拓也 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(社会総合科学域), 教授 (20363129)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 新型コロナウイルス / まちづくり / 地方創生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,ワンショットサーベイにならず,長期間に渡る継続した調査により地域社会の変容を明らかにすること目指している。ただし,本年度は新型コロナウイルスの影響で,行動が制限されていたために,徳島県外の移動は全て中止し,期間延長を申請した。そのため,当初の目的の一部しか研究を進めることができなかった。 滋賀県長浜市のまちづくりに関しては,現地調査を実施することができないために,ZOOMを用いてコロナ禍における現状のヒヤリングをおこなった。また,コロナのインパクトが日常的な活動にどのような影響を与え,それにどのような対処をしているのかを調べるために,本年度,代表者が担当している調査実習と連動して,鳴門市が運営している野外施設であるUZUパーク(スケートボード,バスケットボールなど)のコロナ時代における公共施設運営について調査を行った。 上記の調査及び,コロナ時代になり変更を余儀なくされている地域形成について,「コロナ時代における地域社会の断絶と未来」というテーマで2021年6月刊行予定の地域社会学年報にまとめた。コロナ時代に入り,インバウンド観光まちづくりのようなマーケットメカニズムによる地域作りが一番マイナスの影響を受けており,コロナ対策に対しての国からの規制と保証の要請が強くなることは,これまでの地方消滅言説により国家主導にまちづくりが強化されてきた潮流と相似形であり,形を変えて今後も「選択と集中」による中央主導のまちづくりが強化されていくように思える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス蔓延により,県外調査が制限されているために,参与観察・聞き取り調査を行うことができなかったため、次年度への研究期間延長を申請しました。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は,昨年度実施できなかった海外調査や北海道のサイクルツーリズム調査実施を予定していたが,新型コロナウイルス蔓延により調査が実施でなかった。滋賀県長浜市をはじめとして、熊本市や高松市、北海道のインバウンドサイクルツーリズムなどの同一事例の長期にわたる調査を目的としているために、参与観察や対面によるラポール形成を特徴としているが、本年度同様に状況に応じて、webによる遠隔調査などに切り替えてゆこうと考えている。また,コロナも2年目に入り,本研究の調査地とは,継続的な関係によりラポールが形成されているので,感染対策を万全にして対面調査も進めてゆきたいと考えています。また,コロナ時代では,政府主導の地域形成の傾向が高まるので,それに対抗する新しい潮流がどこに生まれるのかを次年度の課題にしたいと考えている。
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Causes of Carryover |
本年度は新型コロナウイルス蔓延により行動が制限されたために,予定した参与観察や聞き取り調査は次子を断念したためにl次年度使用額が生じた。次年度は、コロナ2年目であるので,万全の対策をした上で,参与観察や聞き取り調査のための旅費に使用する予定である。但し、コロナ問題で計画通りに進められるかは疑問があるが、柔軟に対応してゆきたいと考えている。
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Research Products
(4 results)