2019 Fiscal Year Research-status Report
Study on the identification of the optimum timing and the development of selection method and evaluation standard for the recruitment of new graduates
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17K04133
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松尾 寛子 京都大学, 学生総合支援センター, 特定准教授 (10760374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太郎丸 博 京都大学, 文学研究科, 教授 (60273570)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 大卒新卒採用 / 就職活動期間 / 長い就職活動 / インターンシップ / 就職支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、大卒新卒採用・就職活動の最適な時期と期間、採用選考手法と評価基準の妥当性について新たな知見を提供することを目的としている。2019年度においては、2018年度にA大学で実施したアンケートの分析を完了させ、新たにB大学に在籍する学生と、B大学生の採用を望む企業への調査に着手した。 A大学での調査データの分析の結果、学生が「長い」と感じる就職活動は実際の活動期間ではなく、活動量と内定時期に規定されることを明らかにした。つまり、長期間に及ぶ就職活動を是正したいと考えるのであれば、スケジュール(期間)を操作するのではなく、ある期間に多くの企業を受けるような就職・採用活動の見直しが必要であることを指摘した。また「長い」と感じる就職活動には男女差があり、特に女子学生は周囲に比べて内定が遅いと、活動期間・活動量にかかわらず、「長い」と感じることを明らかにした。この結果は論文にまとめて発表した。 B大学では50名にアンケートとインタビューを実施し、分析を行っている。B大学は日本有数の研究大学であり、自然科学系の学生はほとんどが大学院生である。近年、就職活動との関係が問題になっているインターンシップも調査対象とし、インターンシップの参加状況、就職活動状況、学生(研究)生活との関連などについてアンケートとインタビューを実施した。また、B大学の学生、大学院生の採用を希望する企業にもアンケートを実施し、採用活動の早期化に関する質問への回答を得た。あわせて世界の研究大学との比較のために欧米の5研究大学についてキャリアセンター(就職支援部門)の体制・支援内容・利用者の特徴等をウェブサイトで収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年の12月頃まではA大学で得たアンケート調査の分析と発表、B大学での学生へのアンケートとインタビューなど順調に進捗した。しかし、2020年2月以降は新型コロナウイルス感染拡大により、企業との接触がほとんどできなくなっており、当初、3月初旬に実施を予定していたアンケートとインタビューの実施ができなくなった。代わりに簡易なアンケートを実施したが、採用活動の先行きが見えない中、十分な回答が返ってきておらず、今後の対応を検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は2019年度に集めたB大学の学生アンケートとインタビューデータの分析を実施する。またこの調査に協力してくれた学生の指導教員や所属学部・研究科の指導教員にもアンケートとインタビューを実施し、学生と教員の両面から就職活動を捉えることを目指す。また、2017年以降、B大学の学生の採用を望む企業に対して実施したアンケート回答を分析し、学生、教員、企業の3面からの就職・採用活動の状況を明らかにする。 これとあわせて世界の研究大学の就職支援との比較研究を実施する。アメリカ、ドイツ、イギリスの研究大学のキャリアセンターで1週間程度のシャドーイングを通して、海外の研究大学の支援と我が国の支援の比較を行う。 しかし、現在、新型コロナウイルス感染拡大により、対面でのインタビューや海外渡航が厳しく制限されている。制限の状況が続くようであれば、オンラインでのインタビューやwebアンケート等の代替手段を検討する。
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Causes of Carryover |
アンケート調査の実施と分析を調査会社や分析会社に依頼せずに実施したことにより次年度使用額が生じた。2020年度には引き続きアンケートとインタビューを実施するが、時間と費用の効率を鑑み、調査会社の利用も積極的に検討する。また比較研究を実施するため、海外渡航による研究を予定している。
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Research Products
(2 results)