2017 Fiscal Year Research-status Report
薬物依存者の「回復」コミュニティのミクロ社会学的研究
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17K04154
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Research Institution | Seijo University |
Principal Investigator |
南 保輔 成城大学, 文芸学部, 教授 (10266207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相良 翔 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教 (40736469)
中村 英代 日本大学, 文理学部, 准教授 (50635191)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 薬物依存者 / 社会復帰 / 専門職支援者 / 回復 / 自助組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
薬物依存者のための民間リハビリ施設である「ダルク」に関係している専門職支援者に対する調査(1)として,精神科医2人と保健師1人,弁護士1人にインタヴュー調査を実施した。ダルクやナルコティクスアノニマス(NA)といった当事者組織をこれらの専門職支援者が重視していることが明らかとなった。また,これらの専門職支援者が主催している事例検討会などのセミナーに参加した。専門職支援者のネットワークづくりを観察するとともに,専門職支援者が実施するケースカンファランスの具体例に接することができた。 東日本にあるダルクを訪問し,ある利用者のフォローアップインタヴューを行うとともに,施設スタッフへのインタヴューを実施し,この地域の薬物依存者の状況とこの施設の特徴についての情報を収集した(2)。また,9月に開催されたセミナーに参加し,スペインでの治療共同体に勤務する精神科医の講演を聞いた。 施設におけるプログラムの相互作用調査(3)として,Yダルクにおいて実施されている認知行動療法プログラムの観察と記録を11回にわたり実施した。参加者や施設スタッフのインタヴュー調査も合わせて行った。分析としては,研究会を2回開いて予備的な検討を実施した。 XダルクとYダルクのスタッフにたいするフォローアップのインタヴュー調査(4a)を実施し,ライフヒストリー集をまとめ出版した(『当事者が支援する:薬物依存からの回復 ダルクの日々パート2』春風社)。 NA調査(4b)として,2017年夏に大阪で開催された全国大会(第13回NA日本リージョナルコンベンション:JRCNA)に参加した。NAの中核である12ステップを中心とするプログラムについて知見を深めるとともに,NAメンバーの交流について観察することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
相互作用調査とフォローアップ調査とは順調に進展している。専門職支援者調査とNA調査はやや遅れ気味である。施設比較調査は遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
相互作用調査と専門職支援者調査,フォローアップ調査を継続する。 6月に名古屋で開催されるナルコティクスアノニマス日本リージョナルコンベンションに参加し,地方の薬物依存者とNAの状況について調査する。地方のダルクの訪問調査も進める。
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Causes of Carryover |
調査協力施設の都合で相互作用調査の開始が遅れたためだが,すでに開始されており,次年度で使用する予定である。
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Research Products
(4 results)