2019 Fiscal Year Annual Research Report
The global history of the Okinawan pineapple industry focusing on the connection of Taiwan and Hawai'i
Project/Area Number |
17K04165
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
八尾 祥平 上智大学, 総合グローバル学部, 研究員 (90630731)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 移民 / 台湾人 / 華僑華人 / 沖縄人 / ハワイ / パイナップル / グローバルヒストリー |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は研究の最終年度として、主にこれまでの研究成果を論文としてまとめる作業に従事し、必要に応じて適宜、沖縄・台湾・ハワイでの追加調査を実施した。なお、本研究プロジェクトによる研究成果の一部は、八尾祥平「パイン産業にみる旧日本帝国圏を越える移動ーハワイ・台湾・沖縄を中心に」(植野弘子・上水流久彦編『帝国日本における越境・断絶・残像(モノの移動)』風響社、pp.259-298、2020)などとして刊行された。また、学会報告・講演としては、台湾・國立成功大學人文社會科學中心による招待講演『讓我們從鳳梨談起-臺灣國際移動的「一歩」返回與前進』で本プロジェクトによる研究成果の発表し、また、台湾・中央研究院主催の国際シンポジウム『島嶼與大陸─民族主義與國家形成脈絡中的核心/邊陲關係』において、戦後の沖縄を同時代の東アジア・東南アジアを含めるグローバルな視座から歴史的な意義を検証する報告を行った(報告論題「沖縄コザ事件」)。 本研究課題では、ハワイから台湾、沖縄へとパイン産業が伝播した歴史的過程を素描し、グローバルな視座から歴史的意義を検証することにあった。研究は当初の計画通りに研究を実施することができただけでなく、排華法と日本帝国や欧米列強との関わりやイギリス帝国におけるパイン産業の位置づけの比較研究など、今後の研究水準をグローバルレベルで刷新しうる重要な研究課題も発見できた点では、当初の予想を上回る研究結果を多く得ることもできた。 現在、コロナ渦により、グローバルに研究活動を展開することについて一時的には見通しが立てられなくなってはいるものの、今後はパイン産業を通じて、総力戦体制を、一国史を越えたグローバルな視座からその歴史的意義を批判的に検証することで戦前から戦後の経済開発についての理解を深める方向に研究を発展させたい。
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