2018 Fiscal Year Research-status Report
死にゆく行為における連帯と脱医療化―韓国ホスピスでの官民協働の役割と課題―
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17K04167
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Research Institution | Sugiyama Jogakuen University |
Principal Investigator |
株本 千鶴 椙山女学園大学, 人間関係学部, 教授 (50315735)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 死にゆく行為 / 韓国 / 連帯 / 脱医療化 |
Outline of Annual Research Achievements |
①インタビュー調査の実施:ホスピス・緩和ケア活動を、機関本体と自治体との連携によって実施している機関3か所(ソウル、釜山、忠清南道)において、実務者(医師、看護師、社会福祉士、コーディネータ等)にインタビュー調査を実施した。インタビュー内容は、運営状況、診療報酬化に向けたモデル事業の内容や診療報酬案に対する所見、実務における行政と市民の機能、官民協働の問題点・課題、ケアの質を保つための工夫、などである。インタビューは書面によって相手方の同意を得た上で行い、内容は録音によって記録した。啓発普及事業については、当初インタビュー調査対象に想定していたホスピス・緩和医療国民本部が活動休止状態であるため、関連の市民団体の動向について情報収集を行った。②文献補足調査:ホスピス・緩和ケアの政策・制度関連資料、在宅ホスピス実践関連資料、コミュニティケア関連資料等を関係専門家(政策研究機関や国立がんセンター等)や専門機関を通して収集した。また、関連研究資料については、韓国国立国会図書館等で収集した。③学会参加による関連研究の最新動向の把握:日本緩和医療学会学術大会、日本死の臨床研究会に参加し、関連研究の最新動向を把握するとともに、関係者との交流を行った。④次年度のインタビュー調査準備:モデル事業の対象機関となっている在宅ホスピス機関のうち、インタビュー調査に応じてもらえそうな機関について、インフォーマントとともに検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
インタビュー調査の実施機関が少ないため、地域や機関種別などを勘案して、次年度に3~5ヶ所程度の機関に対してインタビュー調査を追加実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
①インタビュー調査の実施:インタビュー調査の実施機関が少ないため、地域や機関種別などを勘案して、3~5ヶ所程度の機関に対してインタビュー調査を追加実施する。 ②分析と考察:調査結果と先行研究による知見を総合し、死にゆく行為の援助施策における行政と市民の機能と問題点を分析する。また、援助において効果的な官民の役割と課題も考察する。 ③文献補足調査:分析作業の結果、収集の必要性が生じた文献、資料を入手する。韓国語文献の場合、現地で収集する。 ④学会参加による関連研究の最新動向の把握:日本緩和医療学会学術大会、日本死の臨床研究会等に参加し、関連研究の最新動向を把握する。 ⑤学術誌への投稿準備:社会学系の学術誌への投稿を準備する。
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