2022 Fiscal Year Annual Research Report
Community Broadcasting Following Broadcast Consolidation: the Feasibility of Improving the Philosophies Evident in Generational Change
Project/Area Number |
17K04175
|
Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
松浦 さと子 龍谷大学, 政策学部, 教授 (60319788)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北郷 裕美 大正大学, 社会共生学部, 教授 (20712623)
小川 明子 名古屋大学, 情報学研究科, 准教授 (00351156)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | コミュニティ放送 / 世代交代 / 閉局 / コミュニティジャーナリズム / 当事者 / コロナ対応 / 法人形態 / コミュニティメディアリテラシー |
Outline of Annual Research Achievements |
調査は主にオンラインによるヒアリングと文献・報道調査等に限られてしまったが、制度化30周年を迎えたコミュニティ放送は、各種報道・研究やドラマなどにより、災害時の復興への貢献をはじめ、障がい者や外国人など当事者自身の声が可視化され、地域活性化や市民参加のコミュニケーション等について、知名度、一般認識は拡大し、開局も増加している。が、感染症で地域経済が縮小し、コミュニティ放送の経営環境は厳しくなった。 本研究ではそうしたなかで、経営主体のみならず、リスナー、パーソナリティ、支援者(スポンサーやボランティア)の世代交代を観察し、地域貢献の理念の継承や、新時代に向けての変革がどのようにもたらされるのかを検討・分析・考察した。とくに、スマートフォン中心のコミュニケーションのオンライン化といったメディア環境の変化や感染症拡大という社会の変動に大きく影響を受けたことで、世代交代に並行し、経営資源や担い手に変化が顕れたことが観察された。 また、災害発生時、コミュニティ放送が特に若者に影響力を持たないことが疑問視され、復興期での活用が十分想定されず、支援が切られるケースが顕れた。2022年のエフエムひらかたの演奏終了、解散が象徴的な引き金となり、その後も同様の閉局が都市部で見られる。 しかしエフエムあやべのように行政が運営を支え続ける地方局には、逆に業務内容を放送に限定せず、地域のイベント等の運営、映像配信や記録、地域ニュースの拡大など、地域の課題発見や解決を目指す「まちづくり」を主眼においたコミュニティジャーナリズムの可能性を追求する動きが活発になっている。サブキー局や県域放送とは重複しない地域限定コンテンツの追求が、今後のコミュニティ放送の生命線となることで、運営者にも行政・福祉・教育・介護の担い手や移住者が参入し、より地域に密着した持続可能性が追求され、そこに変革の可能性が観察された。
|
Research Products
(10 results)