2019 Fiscal Year Research-status Report
HTLV-1関連疾患当事者の当事者運動に関する研究
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17K04184
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
桑畑 洋一郎 山口大学, 人文学部, 准教授 (50532686)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | HTLV-1 / 医療社会学 / 当事者運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、調査(主としてインタビュー調査と文献資料の収集)の実施と調査から得られたインタビューデータや文献資料の分析、また、それを元にした学会等での口頭報告と、学会等での議論もふまえた上での論文執筆と投稿を主として行った。また合わせて、インタビュー対象者と研究・分析上の視角についての議論もまじえながらの調査を展開してきたため、当事者の視点や意識を取り入れた分析を行うことができた。 結果として、具体的には、調査を3回実施でき、学会等での口頭報告は6回、論文投稿は4本(内1本は審査中)行うことができた。 HTLV-1関連疾患の当事者がどのような当事者運動を、なぜ展開し、それがどのような帰結を導いたのかということを、インタビューデータという当事者の経験と意識に基づいて分析することは、病いの当事者運動に関する研究や、現在注目されている生物学的シティズンシップに関わる議論にも資することができ、医療社会学的に大きな貢献ができた1年であったと考えられる。加えて、上記の通り当事者の視点や意識を取り入れた分析を研究成果としても公表してきたため、本研究の目的と意義の1つとして位置づけていた、HTLV-1関連疾患とその当事者のことを社会的に広く伝えるというある種の啓発的な役割を果たすこともできた1年であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
上述の通り、2019年度は調査に関しても研究結果の公表に関しても、昨年度を上回る回数の実績を上げることができ、非常に進展が大きかった年であると思われる。また、学会での口頭報告を行った内容を現在論文としてまとめている最中であり、2020年度の研究の進展にも大きく貢献するという意味で、実りの多い年であった。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は研究計画の最終年度であり、また、(当然ながら当初想定していたことではないものの)新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から、調査の実施や学会での口頭報告の実施は控え、論文執筆と投稿を主として行い、研究期間全体から得られた結果の公表に努めていきたいと考えている。
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