2017 Fiscal Year Research-status Report
世代間アンビバレンス視角による成人子親子関係の親密性の把握
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17K04188
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
田中 慶子 明治学院大学, 社会学部, 研究員 (50470109)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 世代間アンビバレンス / 関係の「質」 |
Outline of Annual Research Achievements |
世代間関係における親密性の計量的把握を目指し、世代間アンビバレンスの視角から、世代間関係の「質」に関する理論的・方法論的な検討を行うことを目的とし、1年目の平成29年度は、1)世代間アンビバレンスの視角について、国内外の研究動向のサーベイを行うこと、2)世代間関係の「質」の測定に関する指標の開発を行うことを目標とした。 本年度は、世代間アンビバレンス研究、ならびに世代間関係や家族関係の「質」の測定を行っている諸領域の先行研究の収集ならびにその整理を行った。社会学のみならず、心理学や社会福祉学領域などの関連領域も対象として、2000年代以降の国内の世代間関係や夫婦関係を対象とした関係の「質」の測定を行っている研究をリスト化して概観するとともに、方法論的な諸課題を整理した。若い学生(個人)を対象として、父親・母親との関係性を多項目で尋ねる、あるいは子育てや介護といった状況下にある親子の援助や扶養の実態について尋ねた研究が多く、親密性や「質」と、相互行為を同時に分析する視角に基づく研究は多くないことを確認した。 また、世代間アンビバレンスの分析について、方法論的な検討も行った。世代間関係をとらえる上では、回答者と聴取の対象に、個人と個人、個人と複数の成員、個人と集団というパターンが想定され、ペアデータ(ダイアドデータ)の作成も重要となり、世代間のコンフリクトなどを考察するうえではペアデータによるダイアド間の比較が期待されるため、ペアデータの作成・分析についての専門家に講師を依頼し、勉強会を開催した。世代間関係の把握に際して、調査設計のバリエーションにも留意すべきであることなど多くの示唆を得た。 さらに、既存の調査項目に関して数件、ヒアリング調査を行い、回答者側からの項目の内容の理解や差異についての情報を収集している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
年次目標としていたサーベイについては、国内の文献収集が中心となり、海外のサーベイを十分に行えていない。指標の開発についても、質問項目のリスト作成など、資料の収集・整理に時間がかかり、新たな質問項目が完成にはいたっていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
海外のサーベイを進めると同時に、世代間アンビバレンス測定の質問項目の作成を行う。20~40代を対象とした訪問留め置き調査の実施を当初は予定していたが、予算およびヒアリング調査での意見をふまえ、郵送調査あるいは、ネット調査に優位性があるため、方法を再検討し、方法論に即して質問項目を確定、実査を行いたい。
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Causes of Carryover |
資料収集等の作業アルバイト依頼と講師招聘が予定より少なかったため。次年度の作業補助のアルバイト代および実査費用の一部に充当したいと考えている。
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Research Products
(1 results)