2017 Fiscal Year Research-status Report
Adverse health effects in partners with cancer
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17K04190
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中谷 直樹 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 准教授 (60422094)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 配偶者 / パートナー / 精神 / 社会 / 心理 / がん既往 |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国における「がん対策推進基本計画」における重点的に取り組むべき課題として、『がん医療に携わる医療従事者への研修や緩和ケアチームなどの機能強化等により、がんと診断された時から患者とその家族が、精神・心理的苦痛に対する心のケアを含めた全人的な緩和ケアを受けられるよう、緩和ケアの提供体制をより充実させる。』と記載されている。しかしながら、我が国の研究で、実証的にがん患者の配偶者・家族の健康影響(精神、身体、社会的影響)を検討した研究は極めて少なく、そのエビデンス構築が喫緊の課題である。 本研究の目的は、「大規模な配偶者ペア(6,000ペア程度の見積もり)を用い、がん既往を有する配偶者の健康影響(特に精神・心理面及び社会的影響)を同定すること」である。 これまで、地域住民コホート調査参加者のうち、配偶者と共に調査に参加した10,992人から同意撤回者29人を除いた10,963人を同定した。このうち夫婦両者とも調査票に回答した10,780人(5,390ペア)を解析対象者とした。解析対象者のうち60歳以上は7,838人(73%)で、本人のがん既往は955人(9%)であった。また、心理的苦痛を有するもの(K6スコア10点以上)は1,062人(10%)、抑うつ症状を有するもの(CES-Dスコア16点以上)は2,422人(22%)不眠を有するもの(AISスコア6点以上)は2,364人(22%)であった。 来年度は、本年度に特定した配偶者ペアを用い、「配偶者のがん既往がパートナーに及ぼす健康影響(特に精神・心理面及び社会的影響)」を同定するために統計解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
地域住民コホート調査参加者のうち、配偶者と共に調査に参加した10,992人から同意撤回者29人を除いた10,963人を同定した。このうち夫婦両者とも調査票に回答した10,780人(5,390ペア)を解析対象者とした。解析対象者のうち60歳以上は7,838人(73%)で、本人のがん既往は955人(9%)であった。また、心理的苦痛を有するもの(K6スコア10点以上)は1,062人(10%)、抑うつ症状を有するもの(CES-Dスコア16点以上)は2,422人(22%)不眠を有するもの(AISスコア6点以上)は2,364人(22%)であった。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、本年度に特定した配偶者ペアを用い、「配偶者のがん既往がパートナーに及ぼす健康影響(特に精神・心理面及び社会的影響)」を同定するために統計解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
本年度の進捗が順調であり、人件費が当初予算より少なくて済んだため、来年度に繰り越した。
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