2019 Fiscal Year Research-status Report
Adverse health effects in partners with cancer
Project/Area Number |
17K04190
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
中谷 直樹 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (60422094)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | がん患者 / 配偶者 / 心理的苦痛 / 抑うつ / 配偶者ペア / 東日本大震災 / 被害状況 / 同居の有無 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では地域住民コホート調査53,000人超の参加者から配偶者ペアを特定し、配偶者のがん既往がパートナーに及ぼす健康影響(特に精神・心理面及び社会的影響)を同定することである。本研究では以下の仮説を検証する。 ① 心理的苦痛・抑うつ症状・不眠について、配偶者のがん既往ありの者で配偶者のがん既往なしの者よりもリスクが高い。 ② 無職について、配偶者のがん既往ありの者に比し、配偶者のがん既往なしの者よりもリスクが高い。 ③ ①②の関連は、東日本大震災の被害程度が大規模が大きい、他の同居者がいない者、低い教育歴の者でリスクが増大する、という仮説を検証する。 ④ 配偶者のがん既往がパートナーに及ぼす健康影響を同定するだけではなく、今後の効果的な介入研究を考え、心理的ストレスに脆弱なパートナーに対する介入方法を探索することである。そこで、文献検索により、疾患患者の配偶者に対する先行する介入研究をレビューし、効率的かつ効果的な介入方法を探索することである。 令和元年度は③の一部の結果を得た。即ち、東日本大震災の程度別に、配偶者のがん既往なしの者に比し、配偶者のがん既往ありの者で以下の4指標のリスク(心理的苦痛、抑うつ症状、不眠)が異なるかを検証した。その結果、有意な交互作用は示されなかった。したがって、配偶者のがん既往ありの者で配偶者のがん既往なしの者よりもリスクが高いということが、東日本大震災の被害の程度で異なるということはなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1つ目の理由として、研究代表者(中谷)が3年目に大学異動(東北大学から埼玉県立大学)した。データ分析は東北大学で実施する必要があり、データ解析を実施する時間が短くなったためである。 2つ目の理由として、異動に伴い、2019年4月から研究支援者による支援を計画していたが、研究支援者の雇用時期が開始時期が2019年6月からとなり、支援開始が遅れたためである。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では地域住民コホート調査53,000人超の参加者から配偶者ペアを特定し、配偶者のがん既往がパートナーに及ぼす健康影響(特に精神・心理面及び社会的影響)を同定することである。本研究では以下の仮説を検証する。 ① 心理的苦痛・抑うつ症状・不眠について、配偶者のがん既往ありの者で配偶者のがん既往なしの者よりもリスクが高い。 ② 無職について、配偶者のがん既往ありの者に比し、配偶者のがん既往なしの者よりもリスクが高い。 ③ ①②の関連は、同居の有無、教育歴によって両者の関連が異なる、という仮説を検証する。 ④ 配偶者のがん既往がパートナーに及ぼす健康影響を同定するだけではなく、今後の効果的な介入研究を考え、心理的ストレスに脆弱なパートナーに対する介入方法を探索することである。そこで、文献検索により、疾患患者の配偶者に対する先行する介入研究をレビューし、効率的かつ効果的な介入方法を探索すること。 令和2年度は③④を実施する。既に研究は安定的に実施できており、今年度中に本研究課題を終了できる見通しである。
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Causes of Carryover |
1つ目の理由として、研究代表者(中谷)が3年目に大学異動(東北大学から埼玉県立大学)した。データ分析は東北大学で実施する必要があり、データ解析を実施する時間が短くなったためである。 2つ目の理由として、異動に伴い、2019年4月から研究支援者による支援を計画していたが、研究支援者の雇用時期が開始時期が2019年6月からとなり、支援開始が遅れたためである。 令和2年度は次年度使用額を研究支援者の雇用、消耗品購入、国内旅費、報告書作成費用として支出する予定であり、計画通りに進捗できる予定である。
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