2018 Fiscal Year Research-status Report
児童養護の現場における解離と情動制御不全への対処性を向上するモデルの開発
Project/Area Number |
17K04200
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
田辺 肇 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (60302361)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福井 義一 甲南大学, 文学部, 教授 (20368400)
白井 千晶 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (50339652)
徳山 美知代 東京成徳大学, 応用心理学部, 教授 (70537604)
池邨 清美 (近藤清美) 帝京大学, 文学部, 教授 (80201911)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 児童養護 / 子ども虐待 / トラウマ / 解離 / 予防 / 里親 |
Outline of Annual Research Achievements |
児童養護の現場で、施設職員や里親にとって、解離・情動調整不全の問題に直面した際の困難・困惑・対処可能性について、および、研修等が実践に結びつかない場合について、昨年度に引き続き例数を増やし、分析を行った。その結果は、欧州トラウマ解離学会での発表を予定している(2019年10月; 発表タイトル Model development to improve capabilities to cope with dissociation and affect dysregulation in a context of social care of children.)。 里親や児童養護施設職員にとって、シンプルで直観的に理解可能な、情動調整不全と解離の問題に、現場で気付き、理解し、対応するための、説明モデルを提案した。鍵となる有用性の指標は、見通しがつくことと、ケアの効力感(efficacy)であった。 昨年度投稿し、査読中であった子ども虐待トラウマと解離との関連で情動調整不全についての研究のレビュー論文は、掲載誌の取り纏めに時間がかかっており、現在印刷中である(タイトル:子ども虐待トラウマによる情動調整不全と解離)。 情動調整不全は最も注目されている診断横断的な病理的要因の構成概念の一つである。本総説では、導入での簡明な歴史的な背景の言及に続いて、子ども虐待トラウマと解離との関連における情動調整不全研究の動向を概説し、併せて、特に概念上および用語法上の多様性と一貫性の欠如にかかる、留意点を述べた。今後の探求が期待される最近の論点について示唆した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度より引き続くカリキュラムの大幅な改訂と実習体制の構築、実習体制の運営等本務における教育・管理業務の劇増の影響を充分解消できなかった。 研究分担者の所属の移動の影響は概ね解消し、連携体制はとれている。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究計画に大きな変更の予定は無い。研究体制を立て次年度は、説明モデルの現場への適応による洗練化と現場における有用性の検討を行う。
|
Causes of Carryover |
当初今年度計画していたトラウマ解離学会での成果発表が次年度になったため、分析、ポスター作成、旅費、参加費等にかかる経費の一部を、次年度に執行する計画である。
|
Research Products
(16 results)