2021 Fiscal Year Research-status Report
児童養護の現場における解離と情動制御不全への対処性を向上するモデルの開発
Project/Area Number |
17K04200
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
田辺 肇 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (60302361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福井 義一 甲南大学, 文学部, 教授 (20368400)
白井 千晶 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (50339652)
徳山 美知代 東京成徳大学, 応用心理学部, 教授 (70537604)
池邨 清美 (近藤清美) 帝京大学, 文学部, 教授 (80201911)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 児童養護 / 子ども虐待 / トラウマ / 解離 / 情動調整不全 / 予防 / 里親 / 施設職員 |
Outline of Annual Research Achievements |
社会状況(SARS-CoV-2感染拡大)への対応の影響からその後の研究の大きな進展は見られないので、昨年度報告した概要の記載内容を再掲する。 一昨年度実施したインタビューの成果に基づき、児童養護の現場における解離と情動制御不全への対処性を向上するモデルの開発に向けた検討を行った。一昨年度実施したインタビュー調査により得られた、モデルの主要な要素は以下の通りである: モデルの《具体性》「理論よりも具体的な事例史上の出来事を軸に理解を促す」「具体的対処法を提示する」、《個別性》「異なる対処法が必要となる問題については、各々異なる説明モデルを提案する」「各々の里親や施設職員は理解において、異なる経路や枠組みを持っており、それに合わせる必要がある」、《関係性》「子どもにとって安心できて大切な対象になることと同時に、安全と自律性を維持するために必要な枠を守り統制を行う」「スタッフ間の関係性も、権力関係によらず、相互信頼と相互尊重に基づくものである必要がある」、《効力感と見通し》「安定した関係性と脱統制不全は、セルフケアの効力感と日常生活の見通しをもたらす」「具体的な対処法による里親や施設職員のエンパワメントはケアの自己効力感と見通しをもたらし、それにより、支援的で治療的な相互作用に結びつく」 全般に、現場レベルでの対処としては、具体的な個別のケースに基づく対処の積み重ねが、他のケースに適用可能な視点の獲得に結びつき、それが、効力感と見通しに繋がるようだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
再延長によりキャッチアップを計画していたが、社会状況(SARS-CoV-2感染拡大)への対応の影響から、対面での活動が引き続き困難となった。年度前半には、1年延期となった国際学会への参加・成果発表を行うことが出来た。しかし、その後の遅れのキャッチアップは達成できなかった。再々延長により、当初計画に沿って順次研究を展開していく。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に大きな変更の予定は無い。再々延長により、当初計画に沿って順次研究を展開していく。説明モデルの現場への適応による洗練化と現場における有用性の検討を行う。 昨年度は1年延期となった国際学会への参加・成果発表を行ったが、オンデマンド型式によるもので、十分な成果の公表と関係研究者・実践家との意見交換は行えなかった。 そのような不十分な点も含めて、年度前半に現場との意見のすりあわせを行い、後半には、成果の現場還元のための研修会などの実施を計画している。
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Causes of Carryover |
社会状況から今年度実施予定であった計画が実施困難となり次年度に実施することとなったため。次年度に繰り越した経費は、計画上昨年度に実施する予定であった、研究成果還元等のための研修会の開催と、学会報告に要する経費に充てる計画である。
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Research Products
(12 results)