2017 Fiscal Year Research-status Report
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17K04204
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
佐々木 宏 広島大学, 総合科学研究科, 准教授 (50322780)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 社会福祉関係 / 子どもの貧困 / インド / 職業教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は研究実施計画にしたがってデータ収集のための現地調査をすすめた。また本研究計画のテーマである「貧困と教育」研究をめぐる理論研究のレビューを行い、口頭報告をした。
現地調査は、2017年9月にウッタルプラデーシュ州Varanasiにおいて実施した。現地調査の具体的内容は以下2点である。まずは、職業教育学校の数と分布の把握を目的にした情報収集を実施した。次いで職業教育学校在籍者および卒業者への聞き取りをおこなった。前者では、当初予想していた以上の数の職業教育学校がVaranasiには存在していること、また公的機関がそれらの学校情報を十分に把握していないことが明らかになった。そのため、研究実施計画において今年度の到達目標としていた、Varanasiにおける職業教育学校の数と分布の完全かつ正確な情報の把握を成し遂げることができなかった。後者では、在籍者の社会経済的な状況、入学時のプロセス、在籍中の学習状況、卒業時の就職活動のあり方などについての情報が得られている。理論研究のレビューでは、開発途上国のみならず先進諸国における、貧困と教育をめぐる理論研究で優勢な論点と視角を整理することによって、現在、等閑視されている論点と視角を明らかにした。
先述の現地調査の結果、とりわけ職業教育学校在籍者と卒業社への聞き取りの結果については、2018年度前半に開催予定の日本南アジア学会企画の研究集会における発表を念頭におき、データ分析をすすめた。また、理論研究のレビューの成果は、2018年3月開催の「貧困と教育」研究会で口頭報告をした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実施計画で今年度の目的としていた職業教育学校の所在地マップが完成しなかったため。この原因は、調査地域(Varanasi)における職業教育学校の数が想定以上に多かったことによる。
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Strategy for Future Research Activity |
Varanasiにおける職業教育学校の所在地マップ作成を、現地調査を積極的にすすめることによって前進させる。仮に、この作業が引き続き難航するようであれば、Varanasiにおける職業教育学校の数や分布を「完全かつ正確に」把握するという当初の目的を、「概ね」把握するという程度に変更し、本研究計画の中心課題である職業教育学校在籍者の聞き取り調査に移りたい。
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Causes of Carryover |
今年度2回予定していた現地調査が1回となったため。次年度使用額は、来年度、調査回数を増やす、あるいは調査期間を長くするといった形での現地調査の強化のために使用する。
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Research Products
(2 results)