2018 Fiscal Year Research-status Report
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17K04204
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
佐々木 宏 広島大学, 総合科学研究科, 准教授 (50322780)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 社会福祉関係 / 子どもの貧困 / インド / 職業教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は研究計画書にしたがって(1)データ収集のための調査、(2)「貧困と教育」研究をめぐる理論研究のレビュー、(3)インドの職業教育・訓練の政策動向の整理を進めた。(1)(2)についてはその成果を学会口頭報告と出版により公開した。
調査は2018年12月にウッタルプラデーシュ州Varanasiほかで実施した。二つの調査により明らかになったことは2点である。まずは、現在、インドの職業教育・訓練をめぐる政策は大きく変化をしており、研究計画立案の際の想定が激変したことである。たとえばVaranasiではここ数年、公私様々なアクターによる職業教育や起業支援のプログラムが爆発的かつ無秩序に増加している。このことは、Varanasiの職業教育の全体像をスナップショット的に把握するという本研究で当初設定した課題の研究上の意義が低下したことを意味する。そこで、この課題に代え、インドの職業教育・訓練政策の動向を把握するという新課題を設定し、Ministry of Skill Development and Entrepreneurshipの年次報告他の検討に着手した。次いでVaranasiほかで実施した若者聞き取り調査では、職業教育を受けた若者の労働市場での困難についての情報が得られた。昨年度に引き続きすすめた(2)「貧困と教育」研究をめぐる理論研究のレビューは、こうした彼らの困難の背景にある、グローバルな次元ですすむ社会経済的変化を明らかにするために行ったものである。
以上の成果は、日本南アジア学会主催のシンポジウムでの口頭報告と出版という形で公開をした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究課題の一つを切り替えたことにより研究が円滑にすすんだため。また、そのことを反映して成果発表が順調にすすんだため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究最終年度の2019年度は、データ収集のための調査とインドの職業教育・訓練の政策動向の整理を引き続き展開する。また、成果発表を積極的に実施する。
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