2018 Fiscal Year Research-status Report
A study on Japan and the UK comparative research of poverty reduction and benefits take-up
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17K04212
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Research Institution | Kanagawa University of Human Services |
Principal Investigator |
山本 惠子 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (20309503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 隆 関西学院大学, 人間福祉学部, 教授 (90200815)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 貧困 / 補足率 / 社会扶助 / 福祉権 |
Outline of Annual Research Achievements |
文献サーベイ 毎月定例で、関西学院大学梅田キャンパスなどにおいて、日英の社会扶助、貧困削減策と捕捉率に関する文献を精査した。特にハーヴェイなどの貧困と資本主義体制の文献を精査した。 英国実地調査 8月16日~8月31日の期間、英国実地調査としてロンドンを訪問した。貧困問題や社会保障給付に関わる研究者、行政関係者のヒアリングを実施し、情報収集を行った。まず児童貧困行動グループ(Child Poverty Action Group)を訪問し、子どもの貧困の調査研究や反貧困政策に関する批判的コメントと知見を得た。ガイ・シェナン氏(前英国ソーシャルワーカー協会会長)、ナイジェル・ホール氏(英国放送大学教授)のインタビューを行ったが、緊縮財政へのソーシャルワーカーの反政府運動に関する情報を得た。さらに、チェルシー・ケンジントン区のソーシャルワーカーであるディー・ケンプ氏のヒアリングを行った。 講演会の開催 9月10日、キングストン大学准教授キース・デービス氏の困難家族プログラムに関するレクチャー(会場は関西学院大学大阪梅田キャンパス)を受けた。特に政府文書の同事業への評価について議論した。10月14日、デモンフォート大学ジョナサン・デービス教授の講演会「英国・レスターにおける緊縮財政の統治」を開催した。会場は関西学院大学上ヶ原キャンパスで、参加者は260名であった。講演では、ワークフェアの厳格化、給付の抑制などの解説があり、講演会後も同氏と補足率に関する議論を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年目においては、英国の貧困と社会扶助に関する基本文献を検討し、最低生活保障の視点から、ユニバーサル・クレジット(Universal Credits)の調査研究を並行させて、日英の比較研究を進めることができた。英国の研究者や実務家との学術交流により日英の貧困削減と捕捉率に関する多くの知見を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
3年目においては、貧困削減と捕捉率に関する日英比較研究を総括していく。そのため最近の社会保障予算および捕捉率の直近の動向を精査し、さらに福祉権(welfare right)の実現を後押しする民間団体の事業活動を把握し、さらには地域コミュニティからみた貧困ガバナンスの評価を行いたいと考えている。調査先は、ロンドンなどの地方自治体、児童貧困行動グループ(CPAG)、Age UK、市民相談局、マクミラン(MacMillan)トラスト、社会的企業などである。
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Causes of Carryover |
本研究を進める中で調査先の受け入れの都合により、地方自治体や民間福祉団体の調査数が当初予定よりも少なく、エビデンスをより充実させる必要が生じている。特に研究課題としては、緊縮財政の下での捕捉率の低下に関する実態をより深く考察するための追加調査が必要になっている。よって、追加または補完調査を2019年度に実施することにした。研究調査の精度を上げるために、地方自治体や民間福祉団体の調査のサンプル数を増やして、そこに質的および量的な分析を加えることにしている。
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Research Products
(2 results)