2022 Fiscal Year Annual Research Report
Study on assessment based on social model to improve mental competency evaluation in adult guardianship system
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17K04215
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
山口 理恵子 福井県立大学, 看護福祉学部, 教授 (90582263)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 成年後見制度 / 権利擁護 / 日常生活自立支援事業 / 第一期成年後見制度利用促進基本計画 / 第二期成年後見制度利用促進基本計画 / 障害者権利条約 / アセスメント / 持続可能な権利擁護支援モデル事業 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウィルスにおける影響で予定していた国際会議や出張に制約がかかったため、文献研究を中心に進めた。とりわけ国連障害者権利委員会から2022年10月に出された総括所見をふまえ商事法務研究会「成年後見の在り方に関する研究会」において議論されている民法改正をふまえた今後の成年後見制度の在り方に対する検討を行った。本研究の応募時には現行の法定後見における3類型に対し本人に対する定期的アセスメントを行うことの必要性を提言するとともに、その際、日常生活能力、社会生活能力の変動を確認するためのアセスメントシートを考案した。これについては研究協力者(実践家)とともに改良を重ね、同シートを学会、シンポジウムで発表する等、一定の成果を得ることができた。しかし上述した総括所見の下では現在、法定後見における類型を一元化する方向で議論が行われている。これと同時に国の第二期成年後見制度基本計画(2022)の下では総合的な権利擁護支援策の充実として、2022年度より「持続可能な権利擁護支援モデル事業」が開始された。さらに第一期成年後見制度利用促進基本計画(2017)の下で示された「日常生活自立支援事業から成年後見制度へのスムーズな移行」については、現在「適切な時機に必要な範囲・期間で導入する成年後見制度の在り方」を模索する議論の下「逆移行の可能性」も提起される等、「法律行為が必要な場面のみ最低限後見制度を利用し、それ以外は新たな権利擁護支援策で支援を行う」方向性が示されつつある。上述のモデル事業は開始直後であり、未だ評価を行う段階ではない。しかし、本来後見類型に該当する判断能力の対象者の支援をモデル事業で行うにあたっては課題となる点も予測される。これらの見解について研究会等で報告を行った。引き続き学会発表等で法律行為の必要性のアセスメントに対する掘り下げた検討を行う予定である。
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