2017 Fiscal Year Research-status Report
発達障害のある中高生の側に立った放課後活動プログラム構築に関する基礎的研究
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17K04222
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
西村 いづみ 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 講師 (90405522)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 発達障害 / 中高生 / 放課後活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は(1)発達障害のある中高生の側に立った放課後活動成立に必要な条件とその機能を明らかにすること,(2)発達障害のある中高生を対象とする放課後活動プログラムについて提言を行うことを目的としている。平成29年度はNPO法人1ヶ所の活動形成過程を明らかにするため,団体発行の資料や会議録,活動記録等の分析を行った。団体の発足は,長期休暇中の活動の場を求めた障害児の親の会と社会福祉協議会が1981年にサマースクールを実施したことがきっかけとなっている。サマースクールに参加したボランティアの一部(教育・保育・福祉等関係者)が,親の会や社会福祉協議会から独立した任意団体を1983年に結成した。子どもとの継続的交流から生活課題が明らかとなり,また,不登校児からのニーズを受け,家庭・学校以外の生活の場作りを目指し始める。授業期間にまで活動を拡げ,2001年にはNPO法人となった。現在,活動は障害児通所支援・地域活動支援センターの他,不登校児の自立支援,地域のボランティア養成講座開催や住民活動参画など多岐に渡る。また,活動には,福祉専門職に偏らない多分野の人材(プロ・アマチュア)を積極的に導入している。取り組みの背景に,地域社会の一つとして存在し,かつ地域社会とつながっている生活の場に対し子どもは安心感を抱き,そのような場は子どもの社会力(門脇,1999)成長の土台となる,という考えがあることが示された。放課後等デイサービス事業の枠で実施している放課後・休日活動には発達障害を含む多様な障害をもつ子ども(小学生~高校生)が参加している。遊びの好みや発達課題の違い等から,異年齢の集団活動の難しさが,放課後等デイサービス事業所から報告されている。調査協力団体の活動がどのように展開され,本研究のテーマである発達障害のある中高生にどのような影響をもたらしているのか,参与観察によって明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度から,他の団体へのインタビューおよび参与観察を実施する予定であったが,体制変更等により団体の活動スケジュールと調査者の日程等調整が難しく,当初の予定よりも計画遂行がやや遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
研究課題を確実に達成できるよう,研究計画を見直し遂行する。
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Causes of Carryover |
(理由) 購入予定の物品について,性能は同一であるが機種のモデルチェンジ等により当初計画よりも安く購入できた。また,他の調査協力団体が行う活動への調査について,体制変更等に伴い団体活動スケジュールと調査者の日程調整等が難しく当初の予定よりも遅れた。 (使用計画) 学内業務および調査協力団体による活動への調査計画を見直すとともに,本補助事業の目的をより精緻に達成するための方策を検討する。
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