2018 Fiscal Year Research-status Report
発達障害のある中高生の側に立った放課後活動プログラム構築に関する基礎的研究
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17K04222
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
西村 いづみ 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 講師 (90405522)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 発達障害 / 中高生 / 放課後活動 / 学齢期 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究2年目にあたる2018年度は,研究協力団体が運営する放課後等デイサービスにて参与観察を実施した.登録児の年齢構成について,小学校低学年と高校生がそれぞれ約3割を占め,小学校高学年が約2割,小学校中学年および中学生がそれぞれ約1割を占めていた.利用児の在籍校は,小中学校(通常学級・特別支援学級),高等学校・高等部であった.発達支援を効果的に行うため,原則,週3回以上の利用になっている.しかし,小学校低学年から利用している中高生については,部活動や学校時間の延長に沿い,週末のみのアフターフォロー的な利用になるケースが多いとのことであった.年間・月例の地域活動や行事の内容等は,定期ミーティング(週2回)にて利用児が話し合い決めていた.個別・小集団訓練はなく,集団遊び・自由遊びを展開しており,全般的に児童館活動に近いものであった.参加児の言動からも,本事業所を特別な訓練を受ける場ではなく日常的な放課後の遊びの場と認識していることが認められた.職員は,利用児の基本的生活習慣評価・社会力評価の結果を反映した個別支援計画にもとづき,家族と役割分担等の確認を行いながら,利用児に対応していた.また,利用児同士の葛藤と解決の過程には極力見守りの姿勢をとっていた.「仲間づくり」をイメージしながら,利用児の個別性に配慮し,意見表明の機会と集団活動に参加しない自由を保障するなど,利用児を尊重する職員の行動・発言が認められた.そして,職員は中高生自身が選択し行動する環境の調整を行っていた. 今後は,不登校をきっかけに小学校高学年・中学生から利用を始めた子どもや,複数の生活課題をもつ家族への対応などに注目しながら参与観察を継続するとともに,利用児および家族に対する相談支援事業などの活用状況,学校連携について明らかにしていく.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
災害等から研究協力団体のスケジュールと調査者の日程等の調整が難しく,当初の予定よりも計画進行が遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
研究課題を着実に達成できるよう,研究計画を見直し遂行する.
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Causes of Carryover |
災害等により,研究当初研究協力の得られていた団体側の受入れ体制が整わなかった.また,データ分析用PCについて当初予算よりも安価に入手することができた.次年度,当該研究事業の拡充(調査協力団体の追加および先進事例の視察)を計画しており,これに充当する.
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