2023 Fiscal Year Annual Research Report
Basic research on the construction of after-school activity programs froms the perspective of adolescents with developmental disabilities
Project/Area Number |
17K04222
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
西村 いづみ 広島国際大学, 健康科学部, 准教授 (90405522)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 放課後 / 発達障害 / 学齢期 |
Outline of Annual Research Achievements |
放課後のすごし方に関する調査をグループ・インタビュー法にて実施した。調査協力者は、幼児期に発達障害診断を受けた子どもの保護者サークルを通して募集した。子ども本人および保護者への調査に関する説明を経て承諾の得られた中学3年生に対し、オンラインにてグループ・インタビューを行った。音声またはチャット機能にて発言を求めたところ、チャットを中心に展開された。放課後にて楽しみにしていることとして、ゲームやアニメ動画鑑賞、イラストや動画の制作・配信、昆虫採集や飼育など、個人で自由に始めて終わる活動が挙げられた。そして、それらの活動に関する話題を通して人間関係を形成し深めていることが語られた。活動のきっかけに関する発言から、多くは幼少の頃の関心事が、かたちをかえながら継続していることが認められた。また、全員が中学校の文化系部活動に所属していた。入部のきっかけは活動内容への関心であったが、「活動そのものよりも部員同士の会話が楽しくて(部活動を)つづけた」とのことであった。発達障害児の放課後活動支援に関して、研究と実践いずれも訓練的・教育的内容が注目され検討される傾向にある。しかし、本調査結果からは、限られた放課後の時間に、子ども本人が楽しい・面白いと思う遊びを実施できることの意義が示された。発達障害児にとっての遊びの重要性を整理する必要がある。また、子ども全般を対象とする活動を子どもが自身の興味・関心に沿って自発的に選び参加を試みることを支持する環境や、幼児期・学齢期を通して子どもの興味・関心が否定されず追求できる環境があること、そのような環境の構築には、保護者に対する継続的なサポート体制が関係していることが示唆された。なお、研究成果は学会のほか、調査協力者や放課後活動実践者を対象とする報告会等によって還元する予定である。
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