• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2017 Fiscal Year Research-status Report

International Comparative Study on Ageing in Place and Informal Support

Research Project

Project/Area Number 17K04251
Research InstitutionTokyo Kasei University

Principal Investigator

松岡 洋子  東京家政大学, 人文学部, 准教授 (70573294)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2021-03-31
Keywordsインフォーマル・サービス / フォーマル・ケア / ソーシャル・バイク・チーム / 介護組合 / エイジング・イン・プレイス
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、インフォーマル・サービス(IS)の位置づけについての日本・オランダ・デンマークの違いを明確化することを目的としている。オランダでは「マントルケア(インフォーマルケア)」という言葉が古くから存在し、2015年の介護保険・医療保険の大改革を経て「インフォーマル・ファースト」の制度改革がドラスチックに進められている。
2017年度のオランダ調査では現地調査やその後のメール交信によって、A:ISを提供する組織は社会に幅広く存在し、大きく三類型ある。B:ISの担い手にもしっかりと研修が授けられ、予算も潤沢でその基盤が保証されている。C:FCとISの棲み分けでは、FCで提供されるべきことと、ISで支えあう内容の区別が明確で、インフォーマル・ファーストと言えども、FCが行うべきことをISで代替しているわけではなかった。
三類型とは、①ボランティア専門福祉組織からの提供、②ボランティア組織を擁する大規模な介護サービス組織からの提供、③住民主体で介護組合を作って助け合いを行なっているケースの三つである(A)。どの組織にも管理部にベテランの専門職がいて、財政とサービス内容をマネジメントできていた(B)。FCとISの棲み分けについては「SWT(社会福祉近隣チーム」という、「市民の何でも相談窓口」が多くの自治体で設けられており、ここでISの優先度を高めた上でのスクリーニングと総合的な支援プランが立てられていた(C)。オランダではIS活用が進み、それを支える組織も重層的に存在して、自治体が責任をもってマネジメントしている。
日本の先進地調査では、IS組織が多様に存在しておらず、研修制度や予算の保証があるわけでもなく、FCとISの切り分けも明確でない。オランダは「インフォーマル優先型重層的社会資源国」、日本は「フォーマル優先、インフォーマル補完国」と仮説的に整理できる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

オランダにおいて、インフォーマル・サービスを提供している組織を5組織訪問することができたので、オランダ調査については順調に進んでいると評価できる。
しかし、文献レビューによる理論研究が進んでおらず、「やや遅れている」という評価
とした。また、日本の先進的IS取組の現場を訪問する点についても、さらに継続したいと考えている。

Strategy for Future Research Activity

来年度の目標として以下の3点を挙げる。
1)予定どおり、オランダの専門職組織を訪問して、インフォーマルサービスをどのように位置付け、実際の制度的サービス提供との組み合わせについてインタビューを行う予定である。IS提供団体はかなり広いことが判明したので、訪問先としてIS提供団体も加える。
2)日本の調査については、計画時点では定期巡回随時対応型訪問介護看護事業所を調査対象としていたが、ケアマネジャーのほうが研究目標に照らして有用なアウトカムを得られるのではないかとの疑義も生じているため、両者を訪問調査して慎重に決定していきたい。
3)文献レビューによる理論研究が遅れているため、力を入れたい。というのは、3ケ国の比較を行うに際して、その軸の立て方が非常に困難であることを痛感しているので、理論研究を踏まえて補強していきたい。
2018年度の目標を上記3点として、成果を上げていきたいと考えている。

Causes of Carryover

平成29年度はノートパソコン、デジタルカメラ、レーザープリンタなどの購入を予定していたが、ノートパソコン、デジタルカメラは現存のものが使えるので継続して使用することとした。
大きな支出としてはオランダ調査旅費を予定していたが、他の研究機関からのオランダ出張を夏休みに行うこととなり、科研費による調査訪問ができなくなった。他ではなかな時間がとれないため、夏の出張訪問中に、午後や夕方などの空き時間に本研究の訪問時間を捻出して訪問インタビューし、帰国後資料などを送っていただきメールでの質問にも応じていただいたりした。当初の目標はそれなりに達成できたが、旅費支出の必要がなくなった。日本の先進事例訪問については、個人研究費を活用して訪問することができたので、科研費支出は次年度に回すこととした。
次年度にはオランダ訪問を予定しているが、滞在期間を長くしたり、2月または3月の訪問を加えるなりして、当初の予定を達成したいと考えている。

  • Research Products

    (3 results)

All 2018 2017

All Journal Article (3 results)

  • [Journal Article] オランダにおける「ソーシャル・バイク・チーム」とインフォーマル・ケア2018

    • Author(s)
      松岡洋子
    • Journal Title

      エイジング・イン・プレイス

      Volume: 140 Pages: 27-35

  • [Journal Article] オランダにおける「インフォーマル・ファースト・モデル」2017

    • Author(s)
      松岡洋子
    • Journal Title

      エイジング・イン・プレイス

      Volume: 139 Pages: 27-36

  • [Journal Article] 住民のネットワークを広げるご近所プロジェクト2017

    • Author(s)
      松岡洋子
    • Journal Title

      文化連情報

      Volume: 472 Pages: 72-75

URL: 

Published: 2018-12-17  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi