2019 Fiscal Year Annual Research Report
The comparative study of social strategy and law sysytem for the prevention towards elderly abuse between Sweden,Korea,Taiwan and Japan
Project/Area Number |
17K04252
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Research Institution | Tokyo Keizai University |
Principal Investigator |
西下 彰俊 東京経済大学, 現代法学部, 教授 (80156067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安達 正嗣 高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 教授 (20231938)
宣 賢奎 共栄大学, 国際経営学部, 教授 (90382796)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 高齢者虐待 / 高齢者虐待防止法 / 韓国 / 台湾 / スウェーデン / 日本 |
Outline of Annual Research Achievements |
韓国では、2017年の老人福祉法改正により、虐待行為に対する罰則を5年以下懲役としつつ、罰金を5,000万ウォン以下に変更した。高齢者虐待の発生件数は、2005年以来増加し続け、2018年現在では、5,188件に上っている。タイプ別では、精神的虐待が最も多く42.9%(3,508件)、以下、身体的虐待の37.3%、放任の8.8%と続く。同国の特徴は、同じ高齢者に対し高い頻度で虐待が発生し、しかも長期間虐待が継続することである。2018年現在で「週1回以上」が、57.9%(3,008人)となっており、虐待継続期間が「1年以上」が66.2%と高率である。日本の2018年度の結果によれば、介護施設の虐待が621件、家族による虐待は17,249件である。地域包括ケアシステムに基づく虐待防止の対策が課題である。スウェーデンでは、1999年に高齢者虐待防止法のLex Sarah(サーラ法)が制定された。2010年以来、児童や障がい者を含めた全ての社会サービス施設で働く職員の虐待が対象である。2015年から、IVO(医療・社会サービス監査局)が、全体の虐待等に関する監査及び調査を行っている。2019年現在では、全国で1,200ケースの高齢者虐待に関する通報があった。IVOでは2018年に通報があったうち、1,170ケースが虐待であると確定された。そのうち411ケースの加害者が介護施設職員やホームヘルパーであった。法的対処の強化が不可欠である。台湾では、衛生福利部が家庭暴力防治を管轄している。家庭内における高齢者虐待は、2019年現在で6,935人である。1998年に家庭暴力防治法が制定され、各地域に家庭暴力防治センターが設置されている。ホットライン113が制定され、虐待の発生抑止力となっている。ただし介護施設の高齢者虐待防止に関しては、政策の対応が遅い。
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