2018 Fiscal Year Research-status Report
「ヤングケアラー(ケアを担う子ども)」の実態と発見手法の開発
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17K04256
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
宮川 淑恵 (濱島淑恵) 大阪歯科大学, 医療保健学部, 准教授 (30321269)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮川 雅充 関西学院大学, 総合政策学部, 教授 (40389010)
南 多恵子 京都光華女子大学, 健康科学部, 講師 (10455040)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ヤングケアラー / 若者ケアラー / 家族介護 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は、質問紙調査の実施とインタビュー調査の設計等を行った。詳細は以下の通りである。 まず質問紙調査については調査票を完成させ、関西、関東、北海道の計11の高校に調査協力の承諾を得ることができ、調査を実施した(その他、数校に対して、2019年度における調査実施の了解を得た)。2019年3月の段階で約4000票の調査票を配布、回収し、入力作業を行った。順次、調査結果の中間報告を各高校へ返しているところである。詳細な分析は2019年度になるが、(本調査は2016年度の大阪府調査の追加調査として行っているが)高校生のケア状況について、大阪府調査と似たような傾向がみられている。また高校生ヤングケアラーが必要とする支援に関する質問を新規で設けており、彼らの抱えるニーズについての分析を行っている。 次に、インタビュー調査については、上記の質問紙調査の結果を踏まえながら、また元ヤングケアラーとの打合せを踏まえて、質問項目、インタビューガイドを作成した。さらにインタビュー対象者に調査協力の打診を進め、複数名から了解を得た。また倫理審査委員会に審査をかけ、2019年3月に調査実施の許可を得ることができた。 その他、国内外の取り組みに関する情報収集、意見交換を行った。イギリスにおけるヤングケアラー支援の現状と課題について、イギリスの支援団体「ウィンチェスターヤングケアラー」の代表および学校支援コーディネーターと会い、情報収集、意見交換を3月に行った。また、年間を通じて、ケアマネージャー、高校教員、地域住民等にヤングケアラーに関する実態を報告し、それぞれの現場におけるヤングケアラーに関する情報収集、必要な支援についてディスカッションや意見交換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
質問紙調査は順調に進んでいるが、2018年度後半に実施予定であったインタビュー調査が遅れている。理由は、倫理審査委員会の審査を経て承認を得るのに想定以上に時間がかかってしまったためである。ただし、承認は2019年3月に得ることができ、またインタビュー調査対象の候補者(元ヤングケアラー)に関する情報収集、調査協力者を募り、アクセスするための方策については既に共同研究者、協力研究者と打ち合わせを行っているため、2019年度はスムーズにインタビュー調査にとりかかれる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は以下のことを進める。 まず、現在進めている質問紙調査については、集計、分析を9月までに終了する。10月以降、調査結果に関する議論、考察を進める。1月以降、調査報告書の作成に入る。 次に、インタビュー調査については、5月~8月にかけて調査の協力依頼、インタビュー調査の実施を行う(10程度を予定)。随時、逐語録化し(外部に委託)、9月~11月に整理、分析を行い、12月に調査結果に基づき、議論、考察を進める。1月から3月にかけて、質問紙調査の結果とあわせながら、インタビュー調査の結果をまとめて報告書を作成する。 調査報告書は出来上がり次第、調査協力校、協力者に郵送し、フィードバックを行う予定である。
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Causes of Carryover |
進捗状況の報告にも記載した通り、インタビュー調査の実施に際し、倫理審査委員会の審査を経て、承認を得るまで、当初の予定よりも時間を要した。そのため2018年度に予定していたインタビューを実施できなかった。そのために確保していた旅費(全国にいる元ヤングケアラーへのインタビューのため旅費を計上していた)、謝金(逐語録化の外部委託先と調査協力者に対するもの)が未使用となった。これらは2019年度に実施するインタビュー調査で使用する予定である。
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