2019 Fiscal Year Research-status Report
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17K04258
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
菊澤 佐江子 法政大学, 社会学部, 教授 (70327154)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植村 良太郎 慶應義塾大学, 薬学部(日吉), 准教授 (90745001)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 家族介護 / 就業 / ワークライフバランス / 社会学 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、前年度に行った予備的分析や文献等の収集を通じて得られた理論的・方法論的知識をもとに、主として、中高年期の家族介護と就業・健康の短期的関連を検討するための分析モデルを構築し、分析を進めるとともに、これまでの研究成果の一部を、国内外の研究報告や学術雑誌の掲載論文という形で公表した。具体的には、中高年女性における就業と介護の相互の関連についての成果の一部を、「中高年女性における介護と就業の相互の関係―二時点パネルデータ分析による検討―」と題する論文として『老年社会科学』に掲載することができた。これは、パネルデータの特性を生かして介護と就業の間の二つの因果関係を検討したもので、主な結果は、日本の中高年就業女性において、就業形態や収入の異なる女性間で介護を担う確率は変わらない一方、就業女性が介護を担うことは就業の停止等の対応を伴う傾向にあることを示唆するものであった。家族介護者のストレス過程については、介護離職の文脈に着目した分析を行い、その成果の一部は、American Sociological Associationの学会大会で報告する機会を得た。また、家族介護情報を含む最新の全国調査については、就業男女が家族介護の過程で経験するワークファミリーコンフリクトやそのアウトカムとしてのウェルビーイングに着目した予備的分析を行い、成果の一部を研究会で報告した。国内外の研究会・学会等の報告においては、参加者から様々な貴重なフィードバックが得られ、現在、最終年度に向けて、これらを踏まえたより詳細な分析や、論文化に向けた執筆作業を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データの分析や成果の発表等において、おおむね予定通り計画を実施できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に得られたフィードバックを踏まえて、社会調査データの分析をさらに進めるとともに、学会等での成果発表を実施する予定である。
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