2017 Fiscal Year Research-status Report
固有性・専門性の提示を目ざすベテラン医療ソーシャルワーカーの実践行動と根拠の解明
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17K04261
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Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
保正 友子 立正大学, 社会福祉学部, 教授 (80299859)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ベテラン医療ソーシャルワーカー / 実践行動 / 実践の根拠 / 固有性 / 専門性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ベテラン医療ソーシャルワーカーが複数の実践場面においてどのような根拠に基づき何を行ったのかという、実践行動とその根拠に共通した特徴を解明することである。それにより、医療ソーシャルワーカーの固有性・専門性を明らかにすることをねらっている。それにより、医療ソーシャルワーカーの実践の固有性・専門性の提示のみならす、他領域のソーシャルワーカーの実践の固有性・専門性解明への足掛かりが得られると考えるからである。 平成29年度は、以下の3点の計画を立てた。①国内外の先行研究の整理・検討と事例の収集場面の特定、②研究チームの立ち上げ、③調査協力者の選定。 ①については、少しずつ国内外の先行研究の整理・検討を進めながら、事例の収集場面を設定した。事例の収集場面は、「ベテランらしさ」が出ている事例で、ミクロ・メゾ・マクロ領域で3つの事例を事例シートに記入してもらい、それについての詳細をインタビューで聞き取ることとした。 ②については、研究者と現場実践者3人から成る研究チームを立ち上げ、1例目の事例を分析するなかで調査の枠組みを検討した。具体的には、静岡県三島市において3度の会合を持ち、本研究で求められる基礎知識の学習の後に、各自が取り組んだ1例目の事例の分の結果を照合した。 ③については、以下のような要件を設定して調査協力者を選定した。15年以上のソーシャルワーカー経験がありその大半が医療ソーシャルワーカー経験であること、現在も医療ソーシャルワーカーを行っていること、各方面でリーダーシップをとっていること。そして、実際に3人のベテラン医療ソーシャルワーカーにインタビューを行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で述べたように、平成29年度は3つの課題を設定し、全てにおいて計画どおり進捗しているため、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、以下の2つの課題を遂行する。 ①面接調査の実施。引き続き、ベテラン医療ソーシャルワーカーを対象とし、今年度は5人を目途にインタビュー調査を実施していく。 ②研究チームでの事例のメタ分析。平成29年度中に実施した3人のインタビューデータの分析を行うなかで、共通するベテラン医療ソーシャルワーカーの固有性・専門性を抽出する。また、それ以降のインタビューデータについても、随時、分析結果の検討を行う。
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