2018 Fiscal Year Research-status Report
固有性・専門性の提示を目ざすベテラン医療ソーシャルワーカーの実践行動と根拠の解明
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17K04261
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
保正 友子 日本福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (80299859)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ベテラン医療ソーシャルワーカー / 実践行動 / 実践の根拠 / 固有性 / 専門性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ベテラン医療ソーシャルワーカーが複数の実践場面においてどのような根拠に基づき何を行ったのかという、実践行動とその根拠に共通した特徴を解明することである。それにより、医療ソーシャルワーカーの固有性・専門性を明らかにすることがねらいである。この結果は、医療ソーシャルワーカーのみならず、他領域のソーシャルワーカーの実践の固有性・専門性解明への足掛かりが得られると考えている。 平成30年度は、①ベテラン医療ソーシャルワーカーを対象としたインタビュー調査の実施と、②ベテラン医療ソーシャルワーカーと大学教員とのチームによる調査分析作業に取り組んだ。 ①については、全国から選定したベテラン医療ソーシャルワーカー4人に調査協力者になってもらい、2時間程のインタビュー調査を実施した。調査内容は、自らが「ベテランらしさ」が出ていると考える実践場面の事例3例について、その場面で行ったこととその根拠について聞き取るというものである。その後、インタビューデータのテープ起こしを行った。 ②については、ベテラン医療ソーシャルワーカー2人と大学教員2人で4人のチームを結成し、何度か集まり平成29年度に行った調査データ3件の分析を行った。具体的には、各自がベテランの実践能力の特徴と思われる点を抽出し持ち寄ったうえで、合議により実践能力のコード化を行った。それらをまとめて66サブカテゴリーを生成し、さらに上位の17カテゴリーに編成した。 それらの結果をまとめ、2019年6月に開催される日本医療社会福祉協会の全国学会での口頭発表を行うため、エントリーを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定では、研究期間4年間で10件のベテラン医療ソーシャルワーカーのインタビュー調査を行うことにしており、2年目の平成30年度までに7件が終了している。インタビューに際して、調査協力者にインタビューに関する留意事項を説明し承諾書を記入してもらうと同時に、インタビュー後のデータ確認・修正も行ってもらうことで、個人情報保護への配慮や調査協力者が納得のいく調査を実施するよう努めた。 以上のことから、本研究はおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間3年目の2019年度には、以下の3つの課題を遂行する。 ①インタビュー調査の実施。昨年度に引き続き、ベテラン医療ソーシャルワーカーを対象とした実践根拠と行動に関して、今年度は残りの3人のインタビュー調査を実施する。 ②研究チームでの事例のメタ分析。平成30年度中に実施した4人のインタビューデータについて、分析を行い徐々にまとめていく。また、新たに調査を実施した人のデータ分析も随時行っていく。 ③6月に開催される日本医療社会福祉協会全国学会での口頭発表を皮切りに、各種学会での口頭発表や論文執筆を開始する。
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Causes of Carryover |
当該年度の計画を遂行するために予定通りの支出を行ったが、残額2,681円が生じた。
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