2017 Fiscal Year Research-status Report
多人数の社会的場面におけるソーシャルスキル向上のための工学支援技術の研究
Project/Area Number |
17K04266
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Research Institution | Shonan Institute of Technology |
Principal Investigator |
湯浅 将英 湘南工科大学, 工学部, 准教授 (80385492)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本多 博彦 湘南工科大学, 工学部, 准教授 (90339797)
片上 大輔 東京工芸大学, 工学部, 教授 (90345372)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ソーシャルスキル / 多人数キャラクタ / エージェント / SST |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,ソーシャルスキルを獲得する際の一般的なトレーニング過程である(Ⅰ)目標の設定(Ⅱ)モデリング(Ⅲ)ロールプレイ(Ⅳ)フィードバック(Ⅴ)般化,と対応させながらソーシャルスキル訓練システムを構築する予定である.H29年度ではユーザが獲得すべきスキル(目標)をグループインタビュー等から収集,訓練するスキルの測定方法およびフィードバック方法も考案する予定であった. 当該年度では,(1)開発するソーシャルスキル訓練システムの位置づけを再整理することと,システムを学ぶ対象の再検討を実施した.ソーシャルスキルの各種の文献を調査すること,ソーシャルスキルとして学ぶべき多くの事例を収集しなおし,整理しなおした.これにより他種の訓練方法との位置づけを明確にした.さらにターゲットを大学生とし,新社会人として知っておくべきソーシャルスキルを学ぶシステムの開発から進めることとした.ユーザが獲得すべきスキル(目標)を選出するため半構造化インタビュー等から対人葛藤状況における行動の予備調査も実施した. (2)さらに,各種調査をもとに擬人化エージェントを作成するツール(MMDエージェント)を用いて,社会的状況場面を作り,ユーザが応答できる訓練システムを試作した.この際,事前に実施した調査をもとに,フィードバック方法も考案した.ユーザが目標(相応しい言動)を取ったかどうかシステムがフィードバックを返すことで,ユーザは自らの行動の適切さを学ぶことができる. 試作したシステムは電子情報通信学会HCGシンポジウムで発表,セッション賞を頂くに至り,一定の評価を得た. 以上が該当年度の実施概要である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度では,訓練システムの試作に至り,予備実験も実施できたことで,おおむね順調に進展していると考える. また,試作品を基にしてWEB上でも訓練を実施できるツールも作成した.これにより,システム開発は部分的に効率化ができ,訓練内容の一部は課題を増やしていくのみの段階にすることができた. さらに,別種のソーシャルスキルを学ぶための訓練システムとして,「多人数場面において,自ら意見を言う」ためのシステムの試作もおこなった.当初作成した試作システムはエージェントらがユーザへ質問し、それに対してユーザが答えるといった1対1の質疑応答形式であった。しかしながら、この形式は話し出すチャンス(発話機会)がユーザに与えられており、回答が容易である。「不特定多数に向けて」の話題の投げかけや、「複数人での会話」において、その会話参加者それぞれに対して発話機会は与えられない場合が存在する.このような発話機会が存在しない状況でも話せるスキルを鍛える場合のシステムについても試作をおこなった. 以上,当初予定していたシステムの試作と予備実験,さらにそれを発展させたシステムも試作しており,研究はおおむね順調と考える.現在システムの改良を進めており,今後検証実験を進めていく予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度に開発したシステムに加えて,ユーザの視線を捉える入力センサを今後購入するかを検討していく.視線入力センサを取り入れ,エージェントと会話中のユーザの視線を検出することで,相応しいタイミングで話していたか,話の順番を守って話しかけていたかのなどのスキルの判断材料にできる可能性がある. また,現在のシステムでは,表示される選択肢を発話するのみで対処スキルを学ぶことに留まっている.さらに“適切なタイミングで話に割り込む/意見を言うスキル”といった対話性がある機能を実装することも課題である.今後,たとえば,多人数がいる状況で話さないとならない場面や,多様な意見(賛成vs反対)を持つ人がいる対立状況や圧力状況など,より高い社会性が求められる場面をエージェント訓練システムで扱うことを予定している. 現在,対象ユーザを変えた,別種のソーシャルスキルを訓練できるシステムも検討している(現在調査中である).ソーシャルスキルの訓練ツールは,対象を限定せずに幅広く応用できる可能性がある.調査を進め別の形のソーシャルスキル訓練システムの構築の可能性を探っていく.
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Causes of Carryover |
研究システム開発をおおおそ計画に近い形で進めてきた.当該年度に必要な機材は既に購入しており,少額を次年度使用とする.
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Research Products
(3 results)