2017 Fiscal Year Research-status Report
The research about the community empowerment through the generative dialogue
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17K04268
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Research Institution | Yamanashi Gakuin University |
Principal Investigator |
竹端 寛 山梨学院大学, 法学部, 教授 (90410381)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 鉄忠 大阪経済法科大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (20726046)
高橋 真央 甲南女子大学, 文学部, 准教授 (50401609)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 生成的対話 / エンパワメント / コミュニティ / ボランティア / 身体 / vulnerability / ソーシャルネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、生成的な対話とエンパワメントを結びつけ、地域変革に必要な方法論とモデルを提示する事を目標とし、①コミュニティエンパワメントの方法論レベルの解明、②コミュニティエンパワメントにおいて求められる生成的対話とは何か、③地域福祉の現場において、①や②を重視した実践をする為の援助者の変容課題とは何か、の3点を明らかにすることを目的としている。 研究1年目においては、研究チーム3人で検討を重ねて来たのは②の生成的対話について、であった。対面やオンラインでの研究会を通じて、コミュニティや生成的対話に関する文献に基づく議論を深めると共に、竹端のフィールドに高橋・鈴木が訪問し、竹端のやってきたコミュニティエンパワメントの手法についてのリフレクションも行われた。そして2018年3月には、鈴木の翻訳本を題材とした、「日本とイタリアの精神保健と文化をめぐる自由討論会―新刊『バザーリア講演録 自由こそ治療だ!』合評会」も開催することが出来た。 代表的な成果としては、研究代表者の竹端は編著『「無理しない」地域づくりの学校-私からはじまるコミュニティーワーク』を刊行する。同書籍の中で竹端は、②コミュニティエンパワメントに向けた援助者の変容課題について分析する論考をまとめた。分担研究者の代表的な成果として、高橋は雑誌論文「神戸からはじまったボランティア学~研究と実践への還元~」、鈴木は雑誌論文 「惑星社会における「日常生活の網の目」の探求――“うごきのそのものへ”にむけた方法論の検討」を刊行する。これらの著作において、自らの研究フィールドの成果をまとめつつ、共通テーマである②「コミュニティエンパワメントにおいて求められる生成的対話とは何か」が検討された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一年目は研究会を開催し、お互いの研究内容を理解し合いながら理論を深めることが出来、編著や雑誌論文という形での成果を出すことも出来た。また、研究班の議論の中から、3月には鈴木の翻訳本を議題にした合評会を開催し、研究者だけでなく、専門家や一般市民も参加した、意義深い生成的対話の場を生み出すことが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目においては、1年目に実施し成功裏に終わった合評会を参考にしながら、公開研究会を複数回実施予定である。鈴木の合評会を関西で行うことや、高橋のフィールド現場での公開研究会も予定されている。 また、三人の研究会では中間まとめを行いながら、生成的対話やコミュニティエンパワメントに関して、研究班としての定義や意味づけを行い、論文という形でのアウトプットに向けた前提条件を整える予定である。 さらには、現場を一緒に観察しながら、上記の定義を確かめるフィールド相互訪問も、2018年度も実施する予定である。
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Causes of Carryover |
分担研究者の鈴木は、イタリア調査に行く予定であったが、2018年度から勤務先が変わることもあり、イタリアに行くことが出来なかった。ただ、今年度開催した合評会だけでなく、次年度は公開研究会なども開催する予定であり、別の形での研究可能性がみえてきた。
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