2018 Fiscal Year Research-status Report
The research about the community empowerment through the generative dialogue
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17K04268
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
竹端 寛 兵庫県立大学, 環境人間学部, 准教授 (90410381)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 鉄忠 共愛学園前橋国際大学, 国際社会学部, 講師 (20726046)
高橋 真央 甲南女子大学, 文学部, 准教授 (50401609)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 生成的対話 / エンパワメント / コミュニティ / ボランティア / 身体 / vulnerability / ソーシャルネットワーク / 社会福祉 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、①コミュニティエンパワメントの方法論レベルの解明、②コミュニティエンパワメントにおいて求められる生成的対話とは何か、③地域福祉の現場において、①や②を重視した実践をする為の援助者の変容課題とは何か、の3点を明らかにすることを目的としている。 研究2年目においては、③の現場への応用可能性を視野に入れた、①と②の研究の統合であった。研究会を通じて、互いの研究に関しての批判的討論を重ねてきた。竹端は2018年11月にカナダ・トロントへ調査に赴き、Anti-Opressive Social Workの調査を通じて、AOPの理論や実践は、生成的対話やコミュニティエンパワメントの基盤的核になる、ということを整理した。高橋は、2019年1月に阪神淡路大震災から24年の行事として、東日本大震災の被災地である釜石から1名 当時の看護師を神戸に招聘し、看護学部の学生および神戸で復興支援に関わっている支援者に向けて向けて「復興カメラ」の中でイベントの中で被災体験を語ってもらう会を設けた。鈴木はイタリア・トリエステでの調査研究を行い、国境地域における生成的対話やコミュニティ形成に関する継続的な調査を行った。 代表的な成果としては、研究代表者の竹端は単著『「当たり前」をひっくり返す』を刊行する。同書籍の中で竹端は、③地域福祉の現場においてコミュニティエンパワメントや生成的対話を大切にするための援助者の変容課題を、三人の先達の足跡からたどった。分担研究者の代表的な成果として、高橋は雑誌論文「フィールドから見えた『ボランティア』から離れた存在の可能性」、鈴木は書籍分担執筆「国境島嶼における平和裏の戦争状態」を刊行する。これらの著作において、自らの研究フィールドの成果をまとめつつ、共通テーマである②「コミュニティエンパワメントにおいて求められる生成的対話とは何か」が検討された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
二年目は研究会を開催し、お互いの研究内容を理解し合いながら理論を深めることが出来、本研究にまつわる単著や雑誌論文という形での成果を出すことも出来た。また、Anti-Oppressive Social Workという、実践現場に大いに役立つ理論的視座を得ることにより、本研究の課題のとりまとめに向けた重要な視点を獲得することもできた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究最終年の本年度は、研究目的の3つめに掲げた「地域福祉の現場において、コミュニティエンパワメントや生成的対話を重視した実践をする為の援助者の変容課題とは何か」に焦点化し、研究会などでの議論をとりまとめ、学会発表や論文などの形式でのアウトプットを目指したい。
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Causes of Carryover |
分担研究者二名のうち、鈴木は本年度イタリア調査に出かけて、予算の大半を適切に処理できたが、所属先が変わり本務校業務が忙しく、文献購入がままならなかったため22000円ほど残った。高橋も国内出張などで大半を適切に執行したが、3月の宮城出張関連の調整の関係で、19000円ほど残った。ただ、両者ともそのことを見越して今年度のまとめに向けた文献購入を早めに行う等の調整ができており、適切な執行は可能である。
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