2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K04272
|
Research Institution | Nagasaki International University |
Principal Investigator |
種橋 征子 長崎国際大学, 人間社会学部, 講師 (00760729)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 経営理念 / 理念浸透 / 介護老人福祉施設 / 地域密着型介護施設 / 介護職員 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画の3年目である昨年度は、1年目に実施した3つの法人の地域密着型事業所(3事業所及び事業部)における管理者、リーダークラス職員、一般介護職員(計25名)に対する自身の理念に対する認識や理念を反映した取り組みに関するインタビュー調査の分析を終え、その結果を9月に日本社会福祉学会、2月に長崎国際大学における学術研究報告会で報告を行った。 9月の報告では、地域密着型介護事業所の管理職,リーダークラス職員を分析対象とし、結果として、職位に関係なく,理念を肯定的に受け止め,共感を示していること、さらに,理念に沿った取り組みとして,調査対象者は地域に住む利用者に対する近隣の人を巻き込んだ支援や利用者のペースに合わせた支援を挙げ,実際に理念を実践する中で,さらに理念を掲げ,その実現を促進させている法人や理事長,及び上司に対する信頼が示された。理念の内容表現が抽象的である場合,行動することでその意味を理解していくというプロセスを取るとされる(田中2013).管理職,リーダークラス職員も多くが,理念を理解するまでにそのプロセスをたどっており,一般介護職員を指導し,理念の実現を図っていくためには,管理職並びにリーダー職の理念に対する理解とそれを信念として,ぶれずに日常の支援の中で示すことが必要であることを指摘した。 2月の報告では、一般介護職員を分析対象とし、結果として、現場では理念をいつも意識して働いているということは無いという職員もいるものの、理念に基づいた支援をしようとする事業所や上司の姿勢や言動を良いを印象で受け止めていた。また、利用者のためになることを考える自分たちの意見を支え、認めてくれる職員間の人間関係の良さなどによって、就業継続意欲が高まっており、理念を実現させようとしている事業所や管理クラス職員の言動が、一般介護職員に好影響を与えることを指摘した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究助成2年目に所属先を異動し、調査対象施設が遠方となり、日程調整が難しかったり、業務が繁忙となり、計画どおりに研究が進まなくなった。 研究3年目である。令和元年度は、本来であれば2年目までに介護老人福祉施設職員に対する質的研究を終え、量的調査に取り掛かることろであったが、遅れを取り戻すことができず、1年目に実施した地域密着型介護施設の職員に行った調査の結果を学会等で2本を報告したにとどまった。
|
Strategy for Future Research Activity |
夏期休暇終了時をめどに、令和元年度に学会等で報告した地域密着型介護施設の職員に対し行った調査結果について論文にする。2年目の調査である介護老人福祉施設の職員を対象に行った調査結果については秋に行われる学会で報告する予定である。 論文執筆と並行し、2つの質的調査結果をもとに質問紙の作成を行い、秋以降、当初3年目に実施する予定であった量的調査を実施する。
|
Causes of Carryover |
本来3年目で計画していた、介護老人福祉施設、地域密着型介護施設職員に対する理念浸透と職務ストレス等についての量的調査を次年度に実施するにあたり、調査票作成、郵送、集計等の費用に助成金を使用する。
|
Research Products
(3 results)